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〔居宅サービス〕〔施設サービス〕介護給付費分科会が訪問リハビリ等について議論(6月7日・介護給付費分科会)

社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)は6月7日、①訪問リハビリテーション②口腔衛生管理・栄養管理③居宅療養管理指導──について検討した。退院後の早期から訪問リハビリを提供する方向に賛同する意見が相次いだ。

このうち①訪問リハビリは、請求事業所・利用者・費用額などは年々増加している。平成28年4月審査分では、請求は3,871事業所、利用者は約9万2千人。また27年度の費用額は392億4,300万円だ(図表1-3)。

▲図表1 訪問リハビリテーションの請求事業所数(図表が見えにくい場合は図表をクリックまたはタップすると、別ウィンドウでご覧になれます)

▲図表2 訪問リハビリテーションの受給者数

▲図表3 訪問リハビリテーションの費用額

厚労省は、訪問リハビリの現状と課題を踏まえた論点を提示。具体的に▽退院後の利用者に必要に応じて早期に訪問リハビリを導入する方策▽訪問リハビリ計画の作成・実施にかかる医師の関与の促進▽訪問リハビリの実施にかかる社会参加の促進▽医療保険・介護保険のリハビリの計画書等のあり方──について議論を求めた。

論点の背景をみると、退院後の訪問リハビリの導入については、平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(28年度調査)に基づく厚労省の集計で32%は2週間以上かかり、23.5%が4週間以上かかっている現状が示された(図表4)。一方、退院から利用開始まで14日未満のグループでは14日以上のグループに比べ、機能回復がみられた(図表5)。

▲図表4 退院後の訪問リハビリテーション利用開始までの期間

▲図表5 退院後の訪問リハビリテーション利用開始までの期間とADL向上

さらに28年度の「地域包括ケアシステムにおけるリハビリテーションのあり方に関する調査研究事業」から、退院後に通所・訪問リハビリを行う予定の職員(理学療法士等)が訪問することが早期のリハビリの導入に効果的との意見が紹介された。あわせて介護支援専門員がリハビリを適時に導入しやすくなるよう、リハビリの導入の要否をかかりつけ医に相談する判断の目安があるとよいのではないかとの意見も示された。

医師の関与については、28年度調査によると、理学療法士等への指示はリハビリの実施の有無のみのこともあれば、留意事項や運動負荷量などが含まれることが示された。さらにリハビリの実施の有無だけでなく、その他の指示も出された利用者の方がより大きな機能回復が見られることも紹介された(図表6)。

▲図表6 訪問リハビリテーションにおける事業所の医師の関与

社会参加の促進については、27年度介護報酬改定で「社会参加支援加算」が導入され、通所介護や地域の通いの場等に利用者が移行するなど質の高いリハビリを提供する事業所の体制を評価している(図表7)。しかし28年度調査によると算定事業所は19.2%、実際に算定している利用者は16%程度に止まっている。届出しない理由は、利用者のリハビリの「ゴール」が社会参加になっていないこと等が示された(図表8)。

▲図表7 社会参加支援加算

▲図表8 社会参加支援加算の届出等の状況

医療保険・介護保険のリハビリの計画書等のあり方について、たとえば医療保険の疾患別リハビリの「目標設定等支援・管理シート」と、介護保険のリハビリテーションマネジメント加算のリハビリテーション計画書で現行では書式が異なるが、実質的に共通する部分がある(図表9)。

▲図表9 医療保険・介護保険におけるリハビリテーションに係る計画書等

また4月19日に開催された分科会と中医協の一部委員による「医療と介護の連携に関する意見交換会」で、「互換性を持たせて、情報の引継ぎが円滑にいくように検討していくべき」などの意見が出されていた。

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