Web医療と介護

五島 朋幸(ごとう・ともゆき)

地域の核はデイサービス

最後まで口から食べてもらうために、食支援では、今は元気であっても将来病気のリスクがある人をも支援していかなければならない。そのためには栄養の支援も重要だ。利用者のわずかな異変を見つけるために、新宿食支援研究会では、デイサービスに通う利用者に対して、「食べる☆デイテスト」を実施している。摂食機能や栄養状態、体力に関する簡易なテストを行って、利用者の変化を評価し、支援の成果を上げている。

食べる☆デイ!!ミーティングでは、各事業所の利用者のテスト結果を見ながら検討会を開催している。

利用者の異変を見つける強い味方、デイサービス

食支援とは食事の支援だけでなく栄養の支援も含まれます。病気の方を支援するだけでなく、今は元気であっても将来リスクがある方も支援していかなくてはなりません。だからこそ、多くの目で「異変」を見つけなければなりません。そんななかで、地域には強い味方がいます。デイサービス、つまり通所介護です。私自身も東京都新宿区民ですが、通勤時に、幼稚園の通園バスの数倍、デイサービスの送迎車を見ます。それだけ多くのデイサービスが存在するのです。

デイサービスの利用日数は利用者それぞれ違うでしょうが、ある程度まとまった時間をそこで過ごすことになります。だからこそ、職員がいろんな異変を見つけることができるはずです。

食べる☆デイ!!

私たちは、新宿区で新宿食支援研究会として活動しています。現在25職種、126名が参加しています。メンバーが全員で同じ活動をしているのではなく、多くのワーキンググループがあり、さまざまな方面から食支援に関する活動をしています。

そのなかで、新宿区内9ヵ所のデイサービスが参加しているワーキンググループ、「食べる☆デイ!!」というチームがあります。このチームでは、それぞれの施設で「食べる☆デイテスト」を実施して利用者さんの変化を見つけるようにしています。

私自身、訪問歯科診療のなかで、患者さんの体重を知りたいと思うことがあります。家の中である程度歩行できる方でしたら体重計に乗ってもらえれば解決します。しかし、寝たきりであったり車いすの方だと、なかなか自宅で体重測定を行うのは困難です。
そんなとき、デイサービスを利用されている方であれば、体重を定期的に計測されていることもあるので連絡帳のようなものを見せてもらいます。ただ、従来は、体重だけをまとめて記載してあるわけではないので何ページも記録を見て、ようやく見つけるといった非効率的な状態でした。

そんな不満を研究会メンバーのデイサービス責任者に話したところから、このような企画が始まりました。ホームヘルパーやケアマネジャーの訪問のなかでまとまった時間を取るのは難しいです。しかし、デイサービスというところだからこそ、できることがあるのではと考えたのです。

次ページ »食べる☆デイテスト

  • 1
  • 2
五島朋幸
五島 朋幸(ごとう・ともゆき)
1965年広島生まれ。1991年日本歯科大学歯学部卒。1997年より訪問歯科診療に取り組み始める。2003年からふれあい歯科ごとう代表。現在に至る。

博士(歯学)。日本歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科臨床准教授、日本歯科大学東京短期大学歯科衛生士科講師、東京医科歯科大学非常勤講師ほか。新宿食支援研究会代表。

1997年よりラジオ番組「ドクターごとうの熱血訪問クリニック」(全国15局で放送)パーソナリティーを務める。著書に、「口腔ケア○と×」(中央法規)、「愛は自転車に乗って 歯医者とスルメと情熱と」「訪問歯科ドクターごとう① 歯医者が家にやって来る!」(大隅書店)、「食べること生きること ~介護予防と口腔ケア~」(北隆館)(監修・著)、「誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアと腸管免疫の重要性」(オーラルケア)など。
Web医療と介護