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〔施設サービス・居宅介護支援等〕介護給付費分科会が介護医療院などについて検討——介護老人保健施設・短期入所療養介護等(11月22日・介護給付費分科会)

社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)は11月22日、介護医療院・介護療養型医療施設及び老健施設、居宅介護支援などについて検討した。

介護医療院については、厚労省から基準案や基本報酬の考え、さらに転換支援策としてサービスの変更等を説明することを評価する新たな加算の導入が提案された。委員からは、新加算の導入に賛否両論が出された。

介護医療院

医療提供と療養環境の充実を評価

厚労省は介護医療院の基準案や基本報酬の考えを示した(図表1・2)。基準案等について分科会では強い異論は出なかった。

▲図表1 介護医療院の基準について①

▲図表2 介護医療院の基準について②

サービス提供は療養棟単位とするが、規模が小さい場合は、療養室単位でも可能とする。

基準は、Ⅰ型では介護療養病床(療養機能強化型)を参考にする。Ⅱ型では老健施設を参考にしつつ、24時間の看護職員の配置を考慮する。

設備基準について、療養室は老健施設と同様に、定員4名以下、1人あたり床面積を8㎡とする。さらに多床室でもプライバシーに配慮した環境になるように努めることとする。

療養室以外の設備では、介護療養型医療施設で提供される医療水準を提供する観点から、診察室や処置室、機能訓練室、臨床検査設備、エックス線装置等を求める。医療設備は医療法の基準と整合性を図る。

運営基準は、介護療養型医療施設の基準と同様としつつ、他の施設との整合性や長期療養を支えるサービスという観点も踏まえて設定する。医師の宿直は求めるが、老健施設相当のⅡ型では必要ないこととする。

医療機関と併設する場合、宿直の医師を兼任できるようにするなど人員基準の緩和や、設備の共用を可能とする(療養室と病室との共用は除く)。

▲参考資料1 介護医療院の人員基準(イメージ案)

▲参考資料2 介護医療院の施設基準(イメージ案)

基本報酬は、Ⅰ型やⅡ型に求められる機能を踏まえ、それぞれに設定される基準に応じて評価する。一定の医療処置や重度者要件等を設けメリハリをつけるとともに、充実した療養環境が求められることも踏まえる(図表3・4)。

▲図表3 介護医療院の基本報酬等について①

▲図表4 介護医療院の基本報酬等について②

介護療養型医療施設で評価されている加算等は引き続き同様の扱いとする。必要に応じて加算等の名称を変更する。たとえば特定診療費は「特別診療費」などとする。

緊急時の医療対応を行うことから老健施設の緊急時施設療養費と同様の評価も行う。

現行の老人性認知症疾患療養病棟で評価されているような、精神保健福祉士や看護職員の手厚い配置に加え、精神科病院との連携を加算で評価することも示した。

他の介護保険施設と同様にユニット型も設定する。

介護医療院が提供できる居宅サービスについては、現行の介護療養型医療施設が提供できる5サービスのうち、訪問診療と一体的に提供することが想定されている居宅療養管理指導は外す(図表5)。

▲図表5 介護医療院が提供する居宅サービスについて

▲参考資料3 介護療養型医療施設において実施しているサービスの状況

介護医療院への転換で新加算導入を提案

厚労省は療養病床等から介護医療院への転換で新たな加算を導入することを提案した(図表6)。

▲図表6 介護医療院等への転換について

転換後、生活施設としての機能の重視などサービスの変更内容等を、利用者及び家族、住民等に丁寧に説明する取り組みを評価。転換時期を起算日として1年間に限り加算の算定を可能とする。加算の設定は平成33年3月末までの予定。

また療養病床等から介護医療院等に転換する場合、療養室の床面積や廊下幅等の基準緩和等を行うことも示した。

日本医師会の鈴木邦彦委員は転換支援のための加算の導入に「転換促進のためには必要だ」と賛意を表明した。

一方、健保連の本多伸行委員は「非常に疑問。介護医療院への転換を早急に促すインセンティブ的な政策は必要だが、保険料を本来のサービス提供と違う目的で使用することになる。加算以外の形で対策を検討すべき」と異議を唱えた。

有料老人ホーム併設型への転換で要件を緩和

介護療養病床から医療機関併設型の特定施設(有料老人ホーム等)に転換する場合の要件の緩和について示した(図表7)。

▲図表7 介護療養病床から医療機関併設型の特定施設へ転換する場合の特例

具体的に生活相談員・機能訓練指導員・計画作成担当者の兼任を認めることや、浴室・食堂・機能訓練室の兼用を認めることを上げた。

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