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〔歯科医療〕歯科で周術期口腔機能管理を評価等(12月6日・中医協総会①)

中医協は6日の総会で、次期診療報酬改定に向け歯科医療による地域包括ケアシステムの構築の推進を議論した。

厚労省は、医科歯科連携で周術期口腔機能管理の対象患者の拡大を提案した。

例として、全身麻酔下で手術を行った急性期脳血管疾患患者で術後の誤嚥性肺炎のリスクが高い患者や低栄養状態の患者をあげた。

▲参考資料1 歯科治療の需要の将来予想(イメージ)

▲参考資料2 周術期における口腔機能管理のイメージ(医科で手術をする場合)

医科歯科連携に関する論点(案)

【課題】

 

【周術期口腔機能管理】

・周術期口腔機能管理は病院併設歯科を中心に行われており、年々増加しているが、近年、歯科診療所の実施も増加傾向にある。

・医科から歯科への周術期口腔機能管理の依頼は、消化器悪性腫瘍等の手術やがん等による化学療法を行う患者が多い。

・医科において歯科医療機関連携加算(診療情報提供料(Ⅰ)の加算)又は周術期口腔機能管理後手術加算(手術の加算)を算定できない患者に対しても口腔機能管理の依頼が行われ、その際に実施した手術は、脳血管疾患が約55%で最も多い。また、その際の患者の状況については、「口臭がある、口腔衛生状態が悪い」「口腔乾燥等、口腔内の不快症状に関する訴えがある」が多い。

・医科での周術期口腔機能管理後手術加算の算定回数は年々増加しているが、歯科点数表では周術期口腔機能管理の対象となっている骨髄移植が当該加算の対象になっていない。

 

【診療情報の共有】

・歯科から医科へ診療の依頼や診療情報の問合せ等は心疾患や骨粗鬆症の患者で多く行われている。診療内容については、抜歯に際して行われることが多く、その内容は病名、現病歴、現在の患者の状態等の問合せが多い。

・在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所から歯科医療機関への歯科訪問診療の依頼状況は、訪問診療を行っている患者の1割未満が最も多い。依頼した理由は、「患者から歯科疾患に関する訴えがある場合」が約9割で最も多いが、「摂食・嚥下障害がある又はその疑いがある場合」も約半数であった。

【論点(案)】

 

【周術期口腔機能管理】

○ 周術期口腔機能管理を更に推進する観点から、全身麻酔下で手術を行った急性期脳血管疾患患者で術後の誤嚥性肺炎のリスクが高い患者や低栄養状態の患者等について、術後早期に口腔機能管理を開始した場合は周術期口腔機能管理の対象とする等、対象患者の拡大を図ってはどうか。

○ 周術期口腔機能における医科歯科連携を推進する観点から、周術期口腔機能管理の対象でありながら、周術期口腔機能管理後手術加算(医科点数表の手術の加算)の対象となっていない骨髄移植等についても当該加算の対象としてはどうか。

 

【診療情報の共有】

○ 医科歯科連携を推進する観点から、歯科診療を行う上で必要な診療情報や処方薬剤の情報等の医科医療機関への問合せや、またそれに対する医科医療機関からの診療情報の提供等、診療報提供料(Ⅰ)の要件に該当しない医科歯科間の診療情報共有の評価について検討してはどうか。

○ 診療情報提供料(Ⅰ)の歯科医療機関連携加算について、在宅歯科医療における医科歯科連携を推進する観点から、現在、在宅療養支援歯科診療所となっている紹介先歯科医療機関の対象範囲を「歯科訪問診療を実施する歯科医療機関」に見直してはどうか。また、「栄養障害を有する患者」のみではなく、摂食・嚥下障害がある場合や疑われる場合について当該加算の対象となるように見直してはどうか。

かかりつけ歯科医機能の評価とかかりつけ歯科医機能型歯科診療所の施設基準を見直す。う蝕や歯周病の重症化予防に関する継続的な管理、在宅医療における継続管理を評価する。地域連携、研修内容の見直しと一定期間ごとの研修の受講も評価する。地域の関係者との連携体制を確保し、口腔疾患の重症化予防や口腔機能の維持のため、継続的な口腔管理・指導を図る。

かかりつけ歯科医機能の評価に関する論点(案)

【課題】

・かかりつけ歯科医機能については、平成28年診療報酬改定において、より安全で安心できる歯科外来診療環境体制と歯科訪問診療の体制を整備しつつ、定期的・継続的な口腔管理により口腔疾患の重症化を予防し、歯の喪失リスクの低減を図ることを評価する観点から、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」の施設基準を新設した。

・かかりつけ歯科医機能の評価については、これまでの中医協において、医師との連携や介護関係の施設や事業所等との連携を評価すべき、歯科における重複受診は想定されないのでかかりつけ歯科医機能の評価として診療報酬上の差別化は慎重に検討すべき等の意見が出されている。【→図表1・2】

・「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」の施設基準の届出は、歯科診療所の約10%(平成29年4月1日時点)である。

・歯科医療機関を受診する患者の診療開始月からの期間(同一初診期間)は、半年未満が最も多い。

・「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」における歯科医療機関と他の医療機関との連携については、抜歯等の外科的処置の他の歯科医療機関への紹介や医科医療機関への診療情報提供が多く、医科医療機関への歯科訪問診療を行っている割合が約3割であった。

・また、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」と介護保険施設等との連携については、居宅介護支援事業所からの患者紹介や情報共有等が最も多く、施設職員への口腔に関する技術的助言等は約34%で実施してたが、ミールラウンド等への参加は約2%に留まっていた。

・「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」の施設基準の届出を行っていない理由については、人員配置基準が最も多いが、次いで歯科訪問診療の算定実績であった。

【論点(案)】

○地域の関係者との連携体制を確保しつつ、口腔疾患の重症化予防や口腔機能維持のため、継続的な口腔管理・指導が行われるよう、以下の観点からかかりつけ歯科医機能の評価及びかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準の見直しを検討してはどうか。

・う蝕や歯周病の重症化予防に関する継続的な管理の実績

・地域連携(地域ケア会議等の介護に関する会議等への参加又は地域の健診事業等への協力等)の実績

・在宅医療における継続管理や医療機関間の連携体制等に関する評価

・かかりつけ歯科医として必要な知識や技術の習得を推進するため、研修内容の見直し及び一定期間ごとの研修の受講

○かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所と在宅療養支援歯科診療所の機能を明確化する観点から、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準における歯科訪問診療の要件については、歯科訪問診療の実績又は在宅療養支援歯科診療所との連携(歯科訪問診療の依頼)実績としてはどうか。

▲図表1 かかりつけ歯科医について

▲図表2 診療報酬項目及び内容の比較

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