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30年度障害報酬改定の基本的方向性を公表――障害福祉サービス・相談支援・障害児支援(12月8日)

厚労省は12月8日、「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」を公表した。障害福祉サービス等報酬改定検討チームが同7日に了承したもの。

検討チームは、予算編成過程で全体の改定率が決まった後、具体的な改定の概要について検討する予定だ。

障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(12月7日)

基本的な方向性」は、第7回(8月25日)において厚労省が示した「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた主な論点」に沿って整理されている(本記事末尾に抜粋掲載)。

大きく次の6つの柱で構成され、それぞれ「基本的考え方」と「改定項目」を明示。

  1. 障害者の重度化・高齢化を踏まえた、障害者の地域移行・地域生活の支援等
  2. 障害児支援のサービス提供体制の確保と質の向上(医療的ケア児への対応等)
  3. 精神障害者の地域移行の推進
  4. 就労継続支援に係る工賃・賃金の向上や就労移行、就労定着の促進に向けた報酬の見直し
  5. 障害福祉サービス等の持続可能性の確保と効率かつ効果的にサービスの提供を行うための報酬等の見直し
  6. その他

障害者・児の重度化と、地域移行と地域生活の支援などの課題への対応を示した。

就労定着支援等新サービスの指定基準を公表

平成28年6月に公布された障害者総合支援法等一部改正法で創設された新サービス──①就労定着支援②自立生活援助③居宅訪問型児童発達支援──や、今年6月に公布された介護保険法等一部改正法で導入された共生型サービスについての考え方も示されている。

事業所の指定基準等、新サービスの考え方は以下のとおり。

新サービス①就労定着支援

就労定着支援は、一般就労へ移行した障害者について、就労に伴う生活面の課題に対し、就労の継続を図るために企業・自宅等への訪問や障害者の来所により必要な連絡調整や指導・助言等を行うサービス。対象者やサービスの利用期間、サービスの内容などは厚労省令で定められる。

対象者は生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を利用して一般就労した障害者が想定されている。就労定着支援員について、常勤換算方法による配置するとし、資格要件は定めないこととする。

サービス内容は、障害者の就労の継続を図るため、事業主やサービス提供者、医療機関などとの連絡調整が法定されている。さらに省令では雇用に伴い生じる日常生活又は社会生活を営む上での問題に関する相談・指導・助言、その他の必要な支援が規定される方向だ。

基本報酬は支援期間(最大3年間)の就労定着率に応じた1ヵ月当たりの包括報酬とするとともに、現行の就労移行支援における就労定着支援体制加算は廃止する。

指定要件では、過去3年に平均1人以上、障害者を一般就労に移行させている指定事業者(生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援)とする。

新サービス②自立生活援助

自立生活援助は、障害者支援施設等を利用していて、一人暮らしを希望する知的障害者や精神障害者などの理解力や生活力を補うために、定期的な居宅訪問や随時対応により必要な支援を行うサービス。対象者やサービスの利用期間、サービスの具体的な内容は厚生労働省令で定められる。
サービス対象者は障害支援区分全般を対象とする。利用期間は1年間とし、市町村審査会での個別審査で必要性を認められる場合は更新も可能とする。
主なサービスの内容は次のようなことが考えられている。

  • 定期的な巡回又は随時通報を受けて行う訪問
  • 相談対応等の方法による障害者等に係る状況の把握
  • 必要な情報の提供及び助言並びに相談
  • 関係機関(計画相談支援事業所や障害福祉サービス事業所、医療機関等)との連絡調整
  • その他の障害者が自立した日常生活を営むための環境整備に必要な援助

職員配置は支援提供職員と、サービス管理責任者を配置。他の障害福祉サービス事業所等との兼務を可能とする。

基本報酬は1ヵ月当たりの包括報酬。良質な支援体制等について加算を設けるとしている。

新サービス③居宅訪問型児童発達支援

居宅訪問型児童発達支援は、重度の障害等により外出が困難な障害児に対する居宅を訪問して発達支援を提供するサービス。対象者及びサービス内容に関して厚労省令で規定される。
サービス対象者は、重症心身障害等の重度の障害により外出が著しく困難な場合や免疫抑制剤の服薬により感染症にかかりやすく重篤化する恐れがあるなど、障害児本人の状態を理由に外出できない場合と考えられている。

障害児への直接支援の経験が一定程度ある保育士などの有資格者を訪問支援員として配置する。その他人員や設備基準は保育所等訪問支援と同様とする。

基本報酬も保育所等訪問支援と同様とする。訪問支援員特別加算、通所施設への移行支援(引継ぎ業務等)を評価する加算などを設ける。

これまでの検討で、サービス利用の前提として、相談支援事業所における障害児支援利用援助等の利用が示された。
支援内容は、既存の児童発達支援などと同様に、障害特性に応じた障害児の成長を促すための個別支援を行うとともに、将来的に障害児通所支援の集団生活に移行していくために必要な支援、それらに付随する家族支援(相談援助)を行うことが考えられている。

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