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〔材料〕平成30年度保険医療材料制度改革の骨子について(12月15日中医協総会)

中医協は12月15日の総会で、平成30年度保険医療材料制度の改革の骨子を了承した。13日の保険医療医療材料専門部会で議論・了承していた。
長期に体内に埋植する製品のように薬事承認時に最終的な評価が困難な製品で、保険収載後に使用実績を踏まえて新規機能区分について再度評価を行うチャレンジ申請(仮称)を創設する。
先駆け審査指定制度に指定された製品について、機能区分C1(新機能)またはC2(新機能・新技術)でなく、機能区分の特例の対象とする。機能区分の特例は、製品の追加と削除を検討しながら運用していく。
内外価格差の是正では、外国平均価格の算出方法で「最高価格が最低価格の2.5倍を超える場合は、最高価格を除外」するなどの見直し、現行の3倍から引き下げる。イノベーションの評価をするため、算出方法を引き続き検討する。

Ⅰ 新規の機能区分に係る事項

1.イノベーションの評価

①使用実績を踏まえた評価が必要な製品に対する対応について
薬事承認を得るまでの評価において最終的な評価項目を検証することが困難な場合(長期に体内に埋植するものや、革新性の高い技術を伴うもの等)について、製品導入時には評価できなかった部分について、使用実績を踏まえて、保険収載後に新規機能区分の該当性について再度評価を行うことができることとする。
ただし、この取り扱いは新規収載時の、将来的な再評価の希望及びその妥当性の判断を前提とすることとする。なお、平成29年度までに保険収載された製品については、2年間に限り、当該再評価に係る申請を行うことができることとする。

②先駆け審査指定制度に指定された製品について
薬事承認申請にあたり、先駆け審査指定制度に指定され開発された製品について、決定区分C1(新機能)又はC2(新機能・新技術)と決定された特定保険医療材料を、機能区分の特例の対象に加える。

③ニーズ選定されたにもかかわらず開発に至らない品目への対応について
ニーズ選定されたにもかかわらず開発に至らない事情に対応できるよう、各種制度の充実により対応が進められていることから、今後もニーズ選定された製品の開発状況等について注視しつつ、開発を進めない企業が申請する新規医療材料の取扱いについて、引き続き検討する。

④置き換わりの製品に対する改良加算の運用について
既存機能区分の既収載品と置き換わり得る製品については、同一機能区分としつつ、当該製品が新規収載されてから迎える2回目の改定時まで時限的に加算することができる仕組みを設けることとする。

⑤既存製品よりも単純化した新規製品に対する対応について
より複雑化した仕様の製品が保険適用された後に、より単純化した製品が開発された場合、既存製品よりも単純化した新規製品に対して、既存製品の機能区分から減額する仕組みを設けることとする。

⑥迅速な保険導入に係る評価について
迅速な保険導入に係る評価については、評価の要件とされている「医薬品医療機器法に基づく総審査期間のうち、申請者側の期間」を、承認審査における目標値に合わせて、新医療機器の優先品目の場合には90日以内、新医療機器の通常品目の場合には180日以内、改良医療機器の臨床ありの場合には105日以内に短縮した上で、試行的に継続することとし、その実績を踏まえながら、継続や在り方について引き続き検討する。

⑦機能区分の特例について
機能区分の特例については、対象の追加及び削除を今後も引き続き検討することとしつつ、継続的に運用していくこととする。

2.外国価格調整

新規収載品にかかる外国価格調整の比較水準はこれまでと同様とし、外国平均価格の算出方法について以下の通りとする。

①外国の医療材料の国別の価格が2か国以上あり、そのうち最高の価格が最低の価格の2.5倍を上回る場合 外国の医療材料の国別の価格のうち最高の価格を除いた外国の医療材料の価格を相加平均した額を外国平均価格とみなす
②外国の医療材料の国別の価格が3か国以上あり、そのうち最高の価格がそれ以外の価格を相加平均した額の1.8倍を上回る場合 外国の医療材料の国別の価格のうち最高の価格をそれ以外の価格を相加平均した額の1.8倍に相当する額とみなして各国の外国の医療材料の価格を相加平均した額を外国平均価格とみなす

なお、この算出方法については、イノベーションを適切に評価する観点を踏まえつつ、外国為替レート等を注視しながら、次回改定時の取扱いも含め、引き続き検討する。

Ⅱ 既存の機能区分に係る事項

1.再算定における外国平均価格の算出方法について

再算定における外国平均価格は、当該機能区分に属する既収載品と最も類似する医療材料の外国における国別の価格の相加平均値としているが、直近2回の材料価格改定を通じて保険償還価格の下落率が15%以内である場合に限り、新規収載品に係る価格調整と同様の外国平均価格の算出方法を採用する。

①外国の医療材料の国別の価格が2か国以上あり、そのうち最高の価格が最低の価格の2.5倍を上回る場合 外国の医療材料の国別の価格のうち最高の価格を除いた外国の医療材料の価格を相加平均した額を外国平均価格とみなす
②外国の医療材料の国別の価格が3か国以上あり、そのうち最高の価格がそれ以外の価格を相加平均した額の1.8倍を上回る場合 外国の医療材料の国別の価格のうち最高の価格をそれ以外の価格を相加平均した額の1.8倍に相当する額とみなして各国の外国の医療材料の価格を相加平均した額を、外国平均価格とみなす

また、再算定における為替レートは、前回改定と同様、直近2年間の平均値を用いることと定める。

2.機能区分の見直し等について

前回改定と同様に、構造、使用目的、医療臨床上の効能及び効果とともに市場規模等にも配慮しつつ、機能区分について細分化や合理化等を行う。

3.激変緩和措置について

前回改定と同様に、安定供給の確保及び今回の再算定ルールの見直しに伴って生じる影響の予見性を高める観点から、基準材料価格の下落率が大きい機能区分等、及び新たに今回の措置を行うことにより再算定を受ける機能区分の基準材料価格について激変緩和措置を講ずることとする。

Ⅲ 費用対効果評価の試行的導入に係る事項

1.価格調整の対象品目

費用対効果評価の試行的導入の対象品目については、費用対効果評価専門組織による評価結果を踏まえ、価格調整を行う。評価結果において企業分析と再分析の結果が併記された品目については、両分析の結果のうち、価格の変動のより少なくなる方の結果を採用して価格調整を行う。これらの品目については、原則として、検証(検証作業としての分析)を行い、当該検証(分析)を通して得られた評価結果に基づき最終的な価格調整を行う。最終的な価格調整結果が、今回の価格調整結果と異なることとなった場合には、平成30年4月に遡って価格調整が行われたと仮定した結果を踏まえ、最終的な価格調整を行う。

2.価格調整の範囲

①類似機能区分比較方式により算定された品目
対象品目の属する機能区分の基準材料価格が類似機能区分比較方式により算定された品目については、算定時の補正加算に相当する部分を価格調整の対象範囲とする。

②原価計算方式により算定された品目
対象品目の属する機能区分の基準材料価格が原価計算方式により算定された品目については、材料価格の全体を価格調整の対象範囲とするが、試行的導入においては、営業利益に補正が行われた品目のみを対象として選定しているため、価格調整後の価格は、営業利益本体、製品総原価及び流通経費の合計額を下回らないこととする。

3.価格調整方法

①比較対照品目(技術)に対し費用、効果とも増加する品目について
評価結果で得られた増分費用効果比(ICER)(倫理的・社会的影響等に関する考慮要素に該当する品目においては価格調整係数)を用いて価格調整を行う。

②比較対照品目(技術)に対し効果が増加し(又は同等であり)費用が削減される品目のうち、一定の条件を満たすと費用対効果評価専門組織で確認されたものについて
価格の引き上げを行う。

③価格調整の適用順序
費用対効果評価の結果に基づく価格調整は、市場実勢価格に基づく改定、再算定及び機能区分の見直しに伴う価格算定後の価格に対し、ICER等を改めて算出して適用する。

Ⅳ その他

1.保険適用区分の新設及び手続きの簡素化について

①既存技術により評価される技術であって、留意事項等の変更を伴うものについて
既存技術により評価される技術であって留意事項等の変更を伴うものについては、A3(既存技術・変更あり)として保険適用区分を新設する。

②既存機能区分により評価される医療材料であって、定義等の変更を伴うものについて
既存機能区分により評価される医療材料であって定義等の変更を伴うものについては、B2(既存機能区分・変更あり)として保険適用区分を新設する。なお、これに伴い、既存の保険適用区分のうちB(個別評価)についてはB1(既存機能区分)に改める。

③体外診断用医薬品の保険適用区分の整理について
体外診断用医薬品の保険適用区分についてはその新規性に基づいて区別するものとし、算定方法告示において新たな告示が必要なものについてはE3(新項目・改良項目)とし、既存項目により評価される検査技術であって留意事項等の変更を伴うものについては、E2(既存項目・変更あり)として保険適用区分を整理する。

④保険適用手続きの簡素化について
保険医療材料等専門組織において決定区分A3、B2又はE2として判断されたものについては、より迅速な保険適用の観点から、保険適用手続きの簡素化を図る。

⑤その他
保険適用区分の新設に合わせ、既存の保険適用区分も含めた全体としての制度趣旨に合った手続きについて整理、運用上の工夫を行う。また、今回の見直しに伴う申請書類等の様式の見直しも合わせて行う。

2.材料価格調査について

①材料価格調査結果の正確性の確保について
購入側調査において、販売側データとの突合を可能とするための調査票の変更を行い、調査データの検証ができるようにするとともに、突合の精緻さの向上が見込まれることを踏まえて購入側調査の客体数の縮小を行う。

②材料価格調査の公表事項について
情報の機密性や公正な取引を阻害しないよう配慮しつつ、全体の平均乖離率以外に、調査客体数、回収率、分野別の乖離率(医科、歯科、調剤の別)及びその数量シェアについて、公表事項とする。

③毎年価格調査について
医療機器は、医薬品と異なる特性を有していることを踏まえ、改定年以外における調査の在り方については、今後、薬価制度の動向をみつつ、引き続き検討する。

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