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〔外来医療その4/入院医療その10〕かかりつけ医機能の外来の初診での評価や、現行の7対1と10対1の間に2段階を設けることで合意(1月10日・中医協総会①)

中医協総会(田辺国昭会長)は1月10日、外来医療(その4)と入院医療(その10)、「薬価調査が適切に実施される環境整備の推進(未妥結減算の見直し)」を議論した。

外来医療では、次期診療報酬改定でかかりつけ医機能を外来の初診で評価することで合意した。対象となる医療機関の基準は未定。厚労省は地域包括診療料・加算等や小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料等の算定状況を例示。これらを算定する医療機関が対象の候補であることを示唆した。

入院医療では、次期診療報酬改定で体系を大きく見直す入院基本料について、現行の10対1入院基本料と7対1の水準の間に、2つの段階的評価を設けることになった。10対1の看護必要度加算1~3を含めると、7段階になる。7対1から一気に10対1になると大きく収入が減る問題があり、段階を細かく設けることで7対1から移行しやすくなる。

病診連携・機能分化
一般病棟入院基本料

病診連携・機能分化

外来医療において、専門医療機関(大病院)とかかりつけ医との機能分化を図る取り組みが進められている。次期診療報酬改定に向けてもすでに、①紹介状のない患者等の大病院受診時定額負担の対象病院の見直し②地域包括診療料等を算定する患者の同意や在宅医療の提供に関わる要件の見直し③継続的に医学管理を行っている患者に対するICTを活用した診療(オンラインによる診療)を対面診療とは異なるものとして評価─が議論されており、対応が図られる方向である。

これらの対応により目指すイメージは、「フリーアクセスの基本は守りつつ、限りある医療資源を効率的に活用するという医療提供体制改革の観点から、医療機関間の適切な役割分担を図るための『緩やかなゲートキーパー機能』を念頭に、大病院の外来は紹介患者を中心とし、一般的な外来受診は「かかりつけ医」に相談することを基本とする病診連携・機能分化」である。平成25年8月の社会保障制度改革国民会議の報告書でその姿が描かれた。

図表1 外来医療の今後の方向性(イメージ)

今回の厚労省の提案は、目指す姿の実現に向け、かかりつけ医機能を持つ医療機関の初診の機能を評価するというものだ。初診の段階でかかりつけ医機能を新たに評価することになるが、その場合に、何がかかりつけ医機能であり、どの水準でその機能を満たしているかを判断するかが課題になる。

診療報酬は医療機関に入るので、医療機関単位で判断されることになるが、かかりつけ医機能とは、例えば、生活習慣病の患者に対し、①内服と生活習慣の改善を必要とする場合の、日常的な医学管理と重症化予防②合併症のための入院が必要な場合の、専門医療機関等との連携③ADLが低下し、通院が困難になった場合の、在宅療養支援、介護との連携─が考えられる。日本医師会や四病院団体協議会もそのような考え方で定義している。

図表2 かかりつけ医機能のイメージ(案)~生活習慣病を有する患者の例~

図表3 疾病の経過に応じ想定されるかかりつけ医の役割(案)~生活習慣病を有する患者の例~

かかりつけ医機能をどの水準で評価するかについて、厚労省はまだ考え方を示していない。ただ現行の診療報酬で、部分的にかかりつけ医機能を評価している項目がある。厚労省は、地域包括診療料等(認知症地域包括診療加算、地域包括診療料、認知症地域包括診療加算、地域包括診療加算)、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料等を例示した。これらの点数の評価では、かかりつけ医機能の一部のみの評価であることや、施設基準等が厳しく、届出が増えていない状況もある。これらを踏まえ、評価を受ける対象として、これらの診療報酬項目により、かかりつけ医機能を満たしているかを判断し、初診での新たな評価とすることが考えられる。

図表4 病診連携・機能分化の論点(案)

厚労省が示した方向性については、支払側・診療側ともに基本的には、賛意を示した。その上で、協会けんぽ理事の吉森俊和委員は、「要件は厳しくし、しっかりしたものにして、かかりつけ医機能が適格に評価されることを担保すべき」と主張した。日医の松本純一委員は、「診療報酬では初診に含まれてしまうが、継続的に診ている患者が別の病気になった場合にも、評価される仕組みにしてほしい」と求めた。一方、連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員の間宮清委員は、「かかりつけ医機能をみると、通常の外来医療で期待する機能であり、別に評価するというのは理解しにくいところがある。患者が知らずに医療機関にかかったら、他よりも医療費が高かったというのもよくない」と述べた。

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