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〔一般病棟入院基本料(7対1、10対1)〕「重症度、医療・看護必要度」の基準値をめぐり意見が対立(1月24日・中医協総会)

中医協総会(田辺国昭会長)は24日、次期診療報酬改定に向け一般病棟の「重症度、医療・看護必要度」の基準値をめぐり議論を行った。7対1入院基本料の現行の基準である該当患者割割合「25%以上」の据え置きを求める診療側と「30%以上」への引上げを主張する支払側の意見が対立し、平行線をたどった。

同日は、診療報酬の個別項目の点数や一部の基準値を除き、個別改定項目の詳細が示された。改定論議は大詰めを迎えている。

7対1と10対1の間に中間的な評価となる入院料を設定

入院基本料は今回改定で評価体系が大きく見直され、入院基本料という名称も変更される方向になっている。

現行の入院基本料は平成18年度改定で導入されたが、最も点数が高い看護配置7対1の入院基本料は、その後急速に増加し、一般病床の半分を占めるまでになった。看護師の獲得競争の激化も問題視され、中医協は「重症度、医療・看護必要度」を導入し、急性期医療を必要とする患者が一定割合以上である病棟が7対1を算定できるようにした。

その後、7対1は2025年に向けた医療機能の分化・連携、強化の方針もあり、約38万床をピークに減少傾向にある。「重症度、医療・看護必要度」該当患者割合の分布をみると、25%~30%の医療機関が全体の7割を占めるが、30%を超える医療機関も3割弱存在するなど、一定のばらつきがある(図表1)。

▲図表1 一般病棟(7対1)の重症度、医療・介護必要度該当患者割合別の医療機関の分布

7対1が減少傾向にあると言っても、今後の地域包括ケアの実現などを踏まえると、今後必要となる医療需要に対し7対1は過剰という意見がある。過去の改定においても、7対1を厳格化し、他の病棟への転換を促すような改定が行われてきた。しかし7対1の病床数にまだ大きな変化はない。その理由の一つとして、例えば、7対1から10対1に転換した場合の点数差が大きいため、病院収入が激減するという問題が指摘される。

このため、今回改定では7対1と10対1の間に、両者に中間的な評価となる入院料を設定し、7対1が将来の医療ニーズに円滑かつ弾力的に対応していくことが可能となるような報酬設定にすることを、これまで中医協は検討してきた。

基準値をめぐり、支払側は「30%」への引上げ、診療側は「25%」据置きをもとめる

このような考え方で、入院基本料(7対1、10対1)が新しく急性一般入院料(1~7)に変わる(図表2)。

▲図表2 一般病棟入院基本料(7対1、10対1)の再編・統合の具体的なイメージ

 同日、議論になったのは、新たな評価体系で最も高い点数となる急性期一般入院料1の基準値だ。その評価の水準は現行の7対1となる。7対1の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合は25%以上であり、これをどう設定するかが論点となった。

現状の7対1の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合の分布をみると、前述のとおり、25~30%が全体の約7割を占める。25%が基準値となっているので、当然とも言えるが、「努力して25%なのか」、「余裕があるが25%」など状況は病院で異なり、基準値が変化した場合の影響も不透明な要素がある。

分布を1%刻みにすると、かなり、なだらかなばらつきがあることもわかる。それをみると、最も多いのは「28%以上29%未満」の13.2%である(図表3)。

▲図表3 重症度、医療・看護必要度の変更の影響に関する分析(現行の定義・基準&従来の判定方法)

▲参考資料1 平均在院日数と重症度、医療・看護必要度該当患者割合の関係

 基準値をめぐっては、支払側と診療側で意見が明確に分かれた。

健保連の幸野庄司委員は、「基準値を25%から30%に上げるべきだ。分布をみると、30%までは明らかに7対1と10対1が混在している。そこを一つの区切りとすることができる。7対1水準の評価は、真に急性期を診る病棟としての評価とする必要がある」と主張した。

日医の松本純一委員は、「急性期病棟は急性期の患者だけを診ている病棟ではない。患者は病期の中で様々な状態を示す。現実的にそう簡単に割り切れるものではない。また、病院は経営状況を含むいろいろな要素を考慮して入院基本料を選んでいる。段階的になだらかな傾斜の入院料を設けることには賛成だが、現行の25%は据え置くべき」と反論した。

その後も様々な議論があったが、意見は平行線をたどった。

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