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〔一般病棟入院基本料〕7対1水準「重症度、医療・看護必要度」の基準値に「30%(定義変更後)」の公益裁定(1月26日・中医協総会)

中医協総会(田辺国昭会長)は26日、次期診療報酬改定における入院基本料の見直しで、現行の7対1水準の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合を引上げ、定義変更後の基準値を30%にすることを決めた。診療側と支払側の意見が折り合わず、公益裁定となった。
定義変更前の現行の基準値では、26.6%にあたる。診療側は25%、支払側は30%を主張していた。また、基準値30%で新たに新設する急性期一般入院料1は、DPCデータの診療実績データの判定も選択できる。その場合は、25.6%に相当する。

公益裁定では、現行の7対1と10対1の中間に設ける急性期一般入院料2は29%、「3」は28%、現行の10対1の看護必要度加算1に相当する水準の「4」は27%となった。ただ「2」「3」は診療実績データしか使えない。その場合に、相当する基準値は、それぞれ24.3%、23.0%となる。

入院医療(その11)一般病棟入院基本料(7対1、10対1)─前回の続き

7対1、10対1入院基本料に代わり、評価体系を変更して新設する急性期一般入院料1~7の基準値をめぐり、支払側と診療側の意見が対立していた。前回(1月24日)の議論で、両者の意見は平行線をたどり、26日の開催までに、厚労省が調整を図ったが、溝は埋まらなかった。このため、公益委員に裁定を求めることになった。

現行の7対1水準となる急性期一般入院料1の「重症度、医療・看護必要度」の定義見直し前の基準値で、支払側は30%、診療側は25%を主張していた。定義見直し後では、病棟の患者構成が変わらなければ、該当患者割合が増える方向で見直すので、実際の基準値はそれより高くなる。

図表1 重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の比較①

図表2 重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の比較②

図表3 一般病棟入院料(7対1、10対1)の再編・統合の具体的なイメージ

具体的には、変更点は2つあり、1つ目はB項目の「処置等に受ける認知症またはせん妄状態の患者をより適切に評価」で4~5%の範囲で該当患者割合が増える方向、2つ目はC項目の「開腹手術の所定日数を5日から4日へ変更」で0~1%の範囲で減る方向の影響がある。両者を踏まえると、基準値を3~4%程度引き上げる必要があるとされる。

公益裁定に際し、診療側の松本純一委員(日本医師会常任理事)と支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)が発言した。

松本委員は、「『重症度、医療・看護必要度』は最近の改定で毎回変更されて、朝礼暮改は言い過ぎだが、現場はその度に混乱している。急性期病院の経営悪化も進んでいる。支払側は(現行水準の)基準値を引き上げなければ、7対1と10対1の間に中間的な評価を設けたとしても、7対1からの転換が促されないと主張するが、人件費の高騰や看護師確保に苦労する状況を考えれば、10対1の看護配置でそれが緩和されるのは大きい。これまでは7対1と10対1の点数差が大きく、何とか7対1を維持していた。中間的な評価により、7対1から降りやすくなる」と述べ、現行の水準の基準値でも、7対1からの転換が進むと強調した。

幸野委員は、「現行の7対1の基準値の分布をみても、少なくとも30%に引き上げるべきである。前回の議論でも両者の意見は変わらなかった。公益側に裁定をお願いする」と判断を委ねた。

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