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〔介護報酬等〕自立支援・重度化防止に向けて在宅サービスの報酬を改定-平成30年度介護報酬改定案を諮問・答申(続)

今回の改定では、自立支援・重度化防止が柱の一つとなっている。

その一環として通所・訪問リハビリテーションのリハビリテーションマネジメントの見直しや、訪問介護などの生活機能向上連携加算の見直し及び導入サービスの拡大などが実施される。

■通所リハビリテーション

基本報酬は通所介護に合せて減算

3時間以上の通所リハビリテーションの基本報酬も時間区分が1時間区切りとされる(図表1)。

さらに同じ時間、同等規模の事業所で通所介護を提供した場合の基本報酬と均衡を考慮しつつ、見直す。特に6時間以上の実施では大きく減算の傾向となっている。

介護予防通所リハビリテーションも要支援1、要支援2ともに100単位/月の減算となる。

▲図表1 通所リハビリテーション-① 基本報酬

リハビリテーションマネジメント加算を見直し

①医師の指示の明確化

リハビリテーションマネジメント加算は、現行は加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の2つだが、加算(Ⅱ)が3つになり、改定後は加算(Ⅰ)〜(Ⅳ)の4つになる(図表2)。

▲図表2 通所リハビリテーション-② リハビリテーションマネジメント加算

共通の見直しとして、医師の詳細な指示を明確化し、評価する。加算の算定要件に次の内容を加える。

通所リハビリテーション事業所の医師が、リハビリテーションの実施に当たり、事業所の理学療法士などのリハビリテーション専門職に対して、リハビリテーションの目的や開始前又は実施中の留意事項、リハビリテーションを中止する際の基準、リハビリテーションの負荷等のうちいずれか1つ以上の指示を行うこと。

また次のことを通知に盛り込む。

医師が利用者に対して3月以上の継続利用が必要と判断する場合は、リハビリテーション計画書の備考欄に、継続利用が必要な理由、その他の居宅サービスへの移行の見通しを記載すること。

医師の指示の明確化により、加算(Ⅰ)の単位数は100単位/月増えて330単位/月となる(図表3)。

▲図表3 通所リハビリテーション-③ 医師の指示の明確化等

② リハビリテーション会議への参加方法の見直し

現行のリハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)を算定するには、医師が利用者又はその家族に対し、リハビリテーション計画の内容等について、リハビリテーション会議で説明し、同意を得ることが必要である。

しかし、医師の会議への出席が困難なことや、医師からの説明時間が確保できないことから、この加算を算定できないことが多いという意見を踏まえ、次の見直しを行う。

ア 会議への医師の参加について、テレビ電話等(テレビ会議システムの他、携帯電話等でのテレビ電話を含む)を活用してもよいこととする(通知改正)。
イ 医師の指示を受けた理学療法士などリハビリテーション専門職が計画等について医師の代わりに利用者又はその家族に説明できることとする。この場合を加算(Ⅱ)とし、評価は適正化する。他方、従来と同様に医師が説明する場合を加算(Ⅲ)とする(図表4)。
ウ 会議の開催頻度について、過去に一定以上の期間・頻度で介護保険又は医療保険のリハビリテーションに係る報酬の請求がある利用者の場合、算定当初から3月に1回でもよいこととする(通知改正)。

▲図表4 通所リハビリテーション-④ リハビリテーション会議への参加方法の見直し等

③ リハビリテーション計画書等のデータ提出等に対する評価

現行のリハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)の要件に加えて、以下の要件を満たした事業所を新たに評価する(図表5)。

▽加算(Ⅲ)の要件に適合すること。

▽通所リハビリテーション事業所における計画書等の内容に関するデータを、「通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業」に参加し、同事業で活用しているシステム(VISIT)を用いて厚生労働省に提出していること。

▲図表5 通所リハビリテーション-⑤ リハビリテーション計画書等のデータ提出等に対する評価

リハビリテーション提供体制加算の導入

3時間以上の通所リハビリテーションを提供する場合の基本報酬を見直すが、リハビリテーション専門職の配置を、人員基準よりも手厚くし、リハビリテーションマネジメントに基づいた長時間のサービスを提供している場合を「リハビリテーション提供体制加算」として評価する(図表6)。算定要件は次のとおり。

▽リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)〜(Ⅳ)のいずれかを算定していること。

▽通所リハビリテーション事業所において、常時、配置されている理学療法士などのリハビリテーション専門職の合計数が、利用者の数が25又はその端数を増すごとに1以上であること。

▲図表6 通所リハビリテーション-⑥ 3時間以上のサービス提供に係る基本報酬等の見直し等

短時間リハビリテーション実施時の面積要件等の緩和

医療保険の脳血管疾患等・廃用症候群・運動器リハビリテーションから介護保険のリハビリテーションへの移行を円滑に行う観点から、診療報酬改定における対応を鑑みながら、必要に応じて、医療保険と介護保険のリハビリテーションを同一スペースで行う場合の面積・人員・器具の共用に関する要件を緩和する(図表7)。

この見直しは、1時間以上2時間未満の通所リハビリテーションに限る。

通知の見直しとなる。

▲図表7 通所リハビリテーション-⑦ 短時間リハビリテーション実施時の面積要件等の緩和

医療と介護におけるリハ計画の様式の見直し等

医療保険の疾患別リハビリテーションを受けている患者の介護保険のリハビリテーションへの円滑な移行を推進するため、医療保険と介護保険のそれぞれのリハビリテーション計画書の共通する事項について互換性を持った様式を設ける(図表8)。

(介護予防)通所・訪問リハビリテーション事業所が、医療機関から当該様式をもって情報提供を受けた際、当該事業所の医師が利用者を診療するとともに、当該様式に記載された内容について、その是非を確認し、リハビリテーションの提供を開始しても差し支えないと判断した場合は、当該様式を根拠として介護保険のリハビリテーションの算定の開始を可能とする。

ただし、当該様式を用いて算定を開始した場合、3月以内にリハビリテーション計画を作成する。通知の見直しとなる。

医療保険の目標設定等支援・管理料で使用している「目標設定等支援・管理シート」と、介護保険のリハビリテーションマネジメント加算で使用しているリハビリテーション計画書ではリハビリテーションの目標など複数の項目で内容が共通していることを踏まえての見直し。

▲図表8 通所リハビリテーション-⑧ 医療と介護におけるリハビリテーション計画の様式の見直し等

社会参加支援加算の要件の明確化

社会参加支援加算の算定要件について、サービスの種類を考慮しつつ、告示と通知の記載内容を整理し、算定要件を明確にする。訪問リハビリテーションも同様の見直しを行う。

また現行、告示や通知に記載されていない次の場合を加えることとする(通知改正)。

・通所リハビリテーションの利用者が、要介護から要支援へ区分変更と同時に、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護に移行した場合。(訪問リハビリテーションの場合は介護予防通所リハビリテーションに移行した場合も含む。)
・就労に至った場合。

その他、介護予防通所リハビリテーションについてもリハビリテーションマネジメント加算や生活行為向上リハビリテーション実施加算を創設するなど、自立支援・重度化防止を促進する。

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