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あるべき姿を想定し、入院基本料の評価体系を見直し 平成30年度診療報酬改定のポイント(上)

入院基本料の評価体系を見直し 基本部分と段階的な評価で構成

入院医療の評価体系は、基本的な医療の評価部分と診療実績に応じた段階的な評価部分の二つの評価を組み合わせた新たな評価体制に再編.統合されることになった。

一般病棟入院基本料、地域包括ケア病棟入院料等、回復期リハビリテーション病棟入院料、療養病棟入院基本料の評価体系が変わる。激変緩和のために様々な経過措置があり、当面の変化は小さいと考えられるが、大幅な評価体系の組み換えとなっている(図表1・2)。

▲図表1 新たな入院医療の評価体系と主な機能(イメージ)

▲図表2 各入院料の概要

一般病棟入院基本料(7対1、10対1、13対1、15対1)は、急性期一般入院基本料と地域一般入院基本料に再編・統合される。

7対1・10対1は急性期一般入院基本料に

従来の7対1入院基本料と10対1入院基本料は、急性期一般入院基本料となる(図表3・4)。7対1と10対1の中間に評価を設けることで、全体で7段階の入院料となる。最も高い急性期一般入院料1は1591点で、従来の7対1と同じ評価となる。急性期一般入院料7は1332点で、従来の10対1と同じ点数だ。10対1入院基本料の看護必要度加算1~3の点数も維持し、急性期一般入院基本料4~6とした。

▲図表3 一般病棟入院基本料(7対1、10対1)の再編・統合のイメージ

▲図表4 急性期一般入院基本料(急性期一般入院料1~7)の内容

新たに設ける中間的な評価の急性期一般入院料2は1561点、同3は1491点となった。急性期一般入院料2は従来の7対1の1591点に近い点数になっている。これまで7対1と10対1の点数差が大きいことが、7対1からの転換を妨げていたと考えられることから、その差を小さくすることで、7対1からの転換を促す考えがあるとみられる。

急性期一般入院料1の重症度、医療・看護必要度の患者割合は30%以上

一般病棟などで患者の状態を判定する指標である「重症度、医療・看護必要度」の項目・定義は、認知症・せん妄の患者を該当しやすくするなどの見直しを行った上で、該当患者割合の基準値は「25%以上」から「30%以上」になって条件が厳しくなった。

「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合をめぐっては、支払側が厳格化を主張し、診療側と意見が対立した。最終的に公益委員の裁定によって決着したが、両者の言い分を踏まえ、急性期一般入院料1(従来の7対1)については「30%」という水準に設定。急性期一般入院料2~6は、15~27%の基準が設定された。入院料7は、「重症度、医療・看護必要度」の基準値は設定しないが、測定を求める。

DPCデータによる判定は「重症度、医療・看護必要度Ⅱ」

また、DPCデータの診療実績データを「重症度、医療・看護必要度」の代わりに用いることができるようになった。従来の「重症度、医療・看護必要度」は、「重症度、医療・看護必要度Ⅰ」となり、DPCデータによる判定は「重症度、医療・看護必要度Ⅱ」となる。病院は、いずれの判定方法を採用してもよいが、DPCデータによる測定では、該当患者割合の基準は3~5%低くなる。

現状で、「重症度、医療・看護必要度」の測定は看護職員の手作業だが、DPCデータを活用すれば、その手間が省け、正確性も増すと考えられる。しかし日本看護協会などは両者が代替可能であるかについて、疑義を示しており、今後、検証が行われる。診療実績データの判定方法の詳細はまだ公表されていないが、それが出れば病院はシミュレーションを行って、どちらかを選択する。

なお、7対1からしか移れない急性期一般入院料2、3は、診療実績データのみの患者判定となる(2年間の経過措置あり)。また、200床未満の病院は、2年間はどちらの判定方法を用いてもよいとする経過措置が設けられた(DPCデータによる場合は該当患者割合が2%低くなる)。

13対1・15対1は地域一般入院基本料

従来の13対1入院基本料と15対1入院基本料は、地域一般入院基本料となる(図表5・6)。看護職員配置15対1を基本として、13対1相当の実績や「重症度、医療・看護必要度」の測定を評価して3段階の評価となっている。一番高い入院料1は1126点となり、「重症度、医療・看護必要度」を測定することを加味して、従来の13対1よりも高い評価となる。

▲図表5 一般病棟入院基本料(13対1、15対1)の再編・統合のイメージ

▲図表6 地域一般入院基本料1~3の内容

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