Web医療と介護

〔介護報酬〕介護給付費分科会が消費税率10%への引き上げ対応で議論開始(7月4日・介護給付費分科会)

社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)は7月4日、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げにおける介護保険サービスについての取り扱いの議論を開始した。今年12月にも審議報告を取りまとめる予定だ。

平成26年度に消費税率が5%から8%に引き上げられた折には、引き上げによる仕入れ等への影響分を補填するために介護報酬に上乗せする対応を図る上で、臨時の介護報酬改定が行われたが、同様となる見通し。

また平成30年度介護従事者処遇状況等調査の調査項目を一部見直して実施することを了承した。

[消費税率引き上げ]平成26年度8%引き上げ時の対応と議論の再開

介護保険サービスに関する取り扱いの議論については、平成26年度に税率5%から8%に引き上げられた際には、引き上げにより各介護サービス施設・事業所の仕入れ等にかかる消費税負担が増大することから、その影響分を補填するために介護報酬への上乗せを実施。0.63%の臨時の介護報酬改定が行われた。

基本単位数への上乗せを基本としつつ、消費税負担が相当程度見込まれる加算にも上乗せを行った。基本単位数への上乗せ率は各サービスの課税割合に税率引き上げ分を乗じて算出した。

他方で食費・居住費の実態調査を踏まえ、基準費用額は据え置かれた。また区分支給限度基準額も引き上げられたが、特定福祉用具販売と住宅改修にかかる支給限度基準額は、当該サービス費が介護保険制度創設時から公定価格ではないこと等から引き上げないこととされた。

その後、平成29年度には消費税率10%までの引き上げが予定されており、分科会でも27年9月からその対応の議論を開始。しかし28年6月に29年度からの引き上げが見送りになったことから議論を中断していた。今回、来年10月に消費税率10%への引き上げを見据え、対応について議論を再開した形だ。

[消費税率引き上げ]12月に審議報告をとりまとめ

厚労省は、消費税率8%への引き上げ時における対応をはじめ、過去の消費税率10%への引き上げに向けた対応での議論、医療保険における検討の動向等を踏まえて検討を進める必要を指摘。基本的に過去の議論と同様に進めることを示した。

具体的な論点案として①介護サービスの課税割合②介護サービス施設・事業所における設備投資の状況③食費・居住費の平均的な費用額─の3点に分けて提示した。

まず①各介護サービスの課税割合については、直近の29年度介護事業経営実態調査結果を用いて把握し、検討することを提案。過去の議論では、人件費・その他の非課税品目を除いた課税割合を算出することとしていた(図表1)。

▲図表1 論点案① 介護サービス課税割合

②介護サービス施設・事業所における設備投資の状況については、介護ロボット等の導入について財政的な支援を進めていることも踏まえるとともに、26年度改定の議論でも活用された「介護サービス施設・事業所の設備投資に関する調査」の結果を基本としつつ、直近の状況は関係団体のヒアリングを実施して把握することを提案した(図表2)。

▲図表2 論点案② 介護サービス施設・事業所における設備投資の状況

消費税率8%への引き上げ時には、次の点を踏まえ、介護報酬とは別建てによる高額投資への対応は行わないこととした。

まず「設備投資に関する調査」から、▽介護サービス施設・事業所の高額な投資は、建物が太宗を占めており、医療と比べて、総額・件数ともに小さい傾向にある▽投資総額、収入に対する投資額比率ともに、年度による変動が大きいと考えられることが示された。

また仮に別建て対応を行うこととした場合、高額な設備投資の多い施設・事業所では一定程度負担感が緩和されるメリットがある一方、高額投資についての事業所等からの申請及びそれへの審査・支払等のシステム的な対応が新たに必要になるなどのデメリットも考慮した。

③食費・居住費の平均的な費用額については、29年度介護事業経営実態調査結果を用いて、食費は調理員等に関する費用及び材料費等を、居住費は減価償却費や光熱水費等をそれぞれ把握した上で、消費税引き上げに伴う基準費用額の対応について検討することを提案した。

▲図表3 論点案③ 食費・居住費の平均的な費用額

厚労省は今後のスケジュールとして、9~11月に団体ヒアリングを実施するとともに、論点を整理し、12月にも審議報告を取りまとめることを示した(図表4)。

▲図表4 消費税率10%への引き上げに向けた介護給付費分科会の大まかなスケジュール

意見交換では、厚労省の提案に大きな異論はなかった。食費にかかる基準費用額の引き上げの検討に当っては施設種別ごとの費用を算出するように求める意見が出された。

  • 1
  • 2

ここから先はログインしてご覧ください。

Web医療と介護