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〔リハビリ〕維持期リハの介護保険への円滑な移行策を検討 次期改定へ第2ラウンドの議論開始(9月13日・中医協総会)

中医協(田辺国昭委員)は9月13日の総会から、次期診療報酬改定に向けた第2ラウンドの議論を開始した。

初回は疾患別リハビリテーションをテーマで、維持期・生活期のリハビリを円滑に介護保険に移行させる方策を課題とした。
具体的には、リハビリを実施する際に作成する計画書の記載内容の医療と介護の重複部分を整理するなど実務上の負担を軽減するほか、医療機関から通所リハ事業所等への情報提供の診療報酬上の評価を検討する。

 

平成28年度改定でも次期改定までの移行の経過措置を設定

維持期・生活期のリハビリについては、本来介護保険で対応すべきだが、暫定的に、医療保険からの給付を認めているとの位置づけがある。
介護保険への移行を目指し、これまで数次の改定で対応を進めてきた。しかしその都度、経過措置が延期され、現在に至っている。

平成28年度改定では、要介護費被保険者に対する維持期のリハビリテーション料を本則の4割減算とし、維持期リハビリを提供する医療機関に介護保険のリハビリの実績がない場合は、さらに2割減算する厳しい措置を取った上で、30年4月以降は原則算定できないことになった。
一方で、介護保険への移行を目指す観点から、「目標設定等支援・管理料」(初回250点)を新設した。

図表1 平成28年診療報酬改定:要介護被保険者の維持期リハビリテーションの介護保険への移行等

例えば、脳血管リハビリテーション料(Ⅰ)の場合、発症等180日は医療保険でリハビリを1単位20分で245点を算定できる。180日を超えると、要介護被保険者以外は引き続き、月13単位を限度に245点を算定できるが、要介護被保険者であれば、4割減の147点になる。

図表2 発症等からの経過に応じた疾患別リハビリテーション料の点数(脳血管疾患等リハビリテーション料1)

 

図表3 標準的算定日数を超えた場合の疾患別リハビリテーション料(脳血管疾患等リハビリテーション料1)

 

標準的算定日数を超過した要介護者(算定回数)は脳血管疾患等6.7%、運動器2.3

脳血管疾患等リハビリ等や運動器リハビリ料を算定した患者で、標準的算定日数を超過した要介護被保険者の算定回数は、脳血管疾患等リハビリテーション料等で6.7%(算定件数5.8%)、運動器リハビリテーション料で2.3%(算定件数1.9%)となっている。

図表4 標準的算定日数を超過した要介護被保険者等による疾患別リハビリ料の状況

医療保険の対象外とする方向にあるのは、状態の改善が見込めないと医学的に判断された患者である。
リハビリ専門職だけでなく、多職種で構成するチームで、生活機能の維持・向上、自立した生活の再建を目指す。このため治療継続による状態の改善が期待できると医学的に判断される場合には、医療保険のリハビリに戻ることができる。

診療側は患者の状態に応じ医療保険のリハビリもとめる

同日の議論では、日本医師会の松本純一委員が、「方向性としては理解するが、すべての患者を対象外とするのは問題で、患者の状態に応じて、医療保険のリハビリが受けられる体制が必要」と述べるなど、診療側の委員に30年4月以降、算定できなくなることに難色を示す意見が出た。

一方、健保連の幸野庄司委員は、「医療保険と介護保険のリハビリは役割が違う。円滑に移行させる措置を講じるべき」と主張した。

 

医療・介護での実施計画の項目調整や情報共有を検討

厚労省は、介護保険への移行を目指す方策を示した。
まず、リハビリテーション実施計画は医療保険と介護保険で異なるが、重複する項目を代用できるようにすることを論点にした。
次に、介護保険のリハビリに移行する際の患者の診療情報の提供について、通所リハビリ事業所・訪問リハビリ事業所に直接提供した場合の診療報酬の評価を検討することなどを課題とした。情報の引継ぎが円滑になるように、様式の変更なども検討する。

図表5 リハビリテーション実施計画に含まれる患者の情報

 

図表6 医療機関から介護保険のリハビリ事業所との情報共有

 

医療・介護で異なる施設基準への配慮も課題に

また、医療保険と介護保険のリハビリを両方実施すると、施設基準が異なることから、どちらか一方のみを実施する場合よりも職員がより多く必要になることがあるので、配慮することも論点にあげた。

図表7 医療保険と介護保険のリハビリテーションの施設基準

 

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