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〔入院医療その7〕 重症度、医療・看護必要度や10対1・7対1の評価方法の見直しを議論(11月24日・中医協総会①)

 

7対1、10対1入院基本料の間に中間的な段階を設け、新たな評価体系を導入

中医協総会(田辺国昭会長)は11月24日、入院医療その7として、次期診療報酬改定の焦点の一つとなっている急性期入院医療の評価体系のあり方を議論した。
厚労省が入院医療等の調査・評価分科会での分析結果を踏まえ、論点を提示。看護配置等による基礎的な評価と診療実績に基づいた評価を組み合わせ、一般病棟に新たな評価体系を導入するとともに、現行の7対1と10対1に相当する評価の間に中間的な段階を設ける方向だ。
また、特定集中治療室管理料等や地域包括ケア病棟等、在宅復帰率の見直しの論点も示された。

1.一般病棟入院基本料
(1) 重症度、医療・看護必要度の項目の見直し
(2) DPCデータの活用
(3) 一般病棟入院基本料(7対1、10対1)の評価手法の見直し
2.特定集中治療室管理料等
(1) 救命救急入院料・脳卒中ケアユニット入院医療管理料における重症度、医療・看護必要度
(2) 特定集中治療室管理料における重症度スコア
(3) 特定集中治療室管理料における早期離床の取組み
(4) 特定集中治療室管理料における研修を受けた看護師の配置
(5) 特定集中治療室管理料等における器財配置
 3.地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料
(1) 自宅等からの患者の受入れ
(2) 在宅医療の提供
 4.医療機関間の連携に関する評価

 

1.一般病棟入院基本料

(1)重症度、医療・看護必要度の項目の見直し

一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」の項目の見直しについては、①認知症およびせん妄の患者②救急搬送後の入院③手術後の患者─が論点になった。
①はB項目(患者の状況等)、②はA項目(手術等の医学的状況)、③はC項目(モニタリングおよび処置等)に含まれている。現行の該当患者基準では「A得点2点以上かつB得点3点以上」、「A得点3点以上」、「C得点1点以上」のいずれかを満たす必要がある。

「認知症およびせん妄の患者」については、「医師の診察や指示の見直しの頻度、直接の看護の提供頻度」の負担が大きいことを踏まえ、「B項目の認知症およびせん妄に関する項目について、A項目1点以上を並存する場合は、該当患者に追加する」とした。具体的には、B項目の「診療・療養上の指示が通じる」、「危険行動」のどちらかに該当し、A項目が1点以上あれば該当することになる。

「救急搬送後の入院」については、A項目の「救急搬送後入院(2日間)」を救急医療管理加算の算定患者(2日間)に見直す。現行では、救急用の自動車または救急医療用ヘリコプターで搬送され、入院した場合になっているが、入院経路で患者の重症度を明確に区別することができないことをデータで示した。

「手術後の患者」については、C項目の開腹手術の5日間を短縮する。データ分析によると、所定日数未満で退院した患者は、開腹手術(5日間)で17%、開胸手術(7日間)で10%と、開腹手術で比較的高い割合だった。開腹手術の入院期間は、胸腔鏡・腹腔鏡手術の患者よりは長いが、開頭術・開胸術・骨の観血的手術よりも短い傾向がある。

これらについて、「認知症およびせん妄の患者」と「手術後の患者」の見直しには、慎重な対応を求める意見もあったが概ね賛意が得られた。救急搬送後の入院の見直しには、支払・診療双方が救急医療管理加算の見直しの内容が固まっていない状況で結論は出せないと主張した。

【課題】

〔認知症及びせん妄の患者〕

・7対1一般病棟に認知症の患者は13%、せん妄(術後以外)症状を有する患者は2.7%であった。
・B項目の「診療・療養上の指示が通じる」もしくは「危険行動」に該当する患者について、身体抑制ありの患者のうち、全評価日でA項目が1点以上に該当する患者が多く、医師の診察や指示の見直しの頻度、直接看護の提供頻度も上昇していた。

〔救急搬送後の患者〕

・入院経路別の入棟中の患者の医療的な状態をみると、状態が不安定である患者の割合は「緊急入院(緊急用の自動車又は救急医療用ヘリコプター)」の患者が最も多いが、それ以外の緊急入院患者でも一定の割合を占めていた。

〔手術後の患者〕

・DPCデータによる分析に用いたマスタを用いてC項目の対象日数と退院日との関係をみると、該当患者のうち所定日数未満に退院した患者は、「18 開腹手術(5日間)」では該当患者の17.0%、「17 開胸手術(7日間)」では10.4%を占めた。

【論点(案)】

○ 平成28年度改定で導入された項目について、以下の3点について、より適切な評価となるよう見直しを検討してはどうか。
1)B項目の認知症及びせん妄に関する項目について、A項目1点以上を併存する場合は該当患者に追加する
2)A項目の救急搬送後入院(2日間)について、救急医療管理加算の算定患者(2日間)へ見直す
3)C項目の開腹手術について、所定日数を短縮する

○ また、評価項目の定義の見直しの伴い、該当患者の判定基準及び該当患者割合の基準値について、どのように考えるか。

図表1 一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」の概要

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