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〔介護報酬・指定基準等〕平成30年度介護報酬改定に関する審議報告案を提示 同一建物減算の見直し――訪問介護・定期巡回・随時対応型サービス等(12月6日・介護給付費分科会)

同一建物減算で1ヵ月あたりの利用者50人以上は減算幅を拡大へ

厚労省は6日、社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)に、訪問介護など訪問系サービスの事業所と同一又は隣接する敷地内の有料老人ホームなどの居住者へのサービス提供における介護報酬の減算(同一建物減算)で、経営実態を踏まえて、建物の範囲を拡大するとともに、一部は減算幅を拡大するなどの見直しを提案した。分科会は了承した。

同一建物減算の見直しについては、厚労省は既に11月1日に分科会に提案していたが、訪問介護等の経営実態を踏まえて出し直した。

対象建物の範囲を拡大

現行の同一建物減算では、訪問介護で次に該当する場合は報酬を10%減算している。

①事業所と同一又は隣接する敷地内に所在する養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅の居住者

②①以外の範囲に所在する有料老人ホーム等の居住者(当該建物に居住する利用者の人数が1ヵ月当たり20人以上の場合)

見直し案では、これまで対象となる建物を有料老人ホームなどに限定していたが、この限定を外す考えを示した。一般の住宅も対象になる。

さらに事業所と同一敷地内等の建物で、居住する利用者の人数が1ヵ月あたり50人以上の場合の減算幅について経営実態を踏まえて見直すことを提案。減算幅を拡大する(図表1)。

▲図表1 同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬

厚労省は減算幅を見直す根拠として、平成29年度介護事業経営実態調査・介護保険総合データベースに基づいた分析結果を示した。

経営実態としては、事業所全体の訪問回数のうち同一建物減算に該当する50%以上であるものの訪問回数階級別の収支差率をみると、2,000回~2,400回で10.5%など、高い収支差率となっていることが明らかになった。さらに、サ高住等の1人当たり月利用回数は約40回であることから、同一建物における延べ2,000回以上の訪問は、利用者数では約50名以上に相当するなどと示した(図表2)。

▲図表2 訪問介護事業所の経営実態

こうした見直しは、訪問入浴介護や訪問看護、訪問リハビリ、夜間対応型訪問介護も同様に行う。

なお事業所と同一敷地内等に所在する建物でも1ヵ月当りの利用者が50人を下回る場合の減算幅は従前と変わらず、10%とする。

また事業所とは同一敷地内等以外の範囲にある建物の場合の対象は、当該建物に居住する利用者の人数が1ヵ月あたり20人以上の場合とすることやその減算幅が10%であることも変らない(図表3)。

▲図表3 集合住宅におけるサービス提供の場合の報酬

定期巡回・随時対応サービスの同一建物減算も見直し

定期巡回・随時対応サービスにおける同一建物減算も経営実態を踏まえて見直しを提案した。同サービスの場合、事業所と同一又は隣接する敷地内に所在する有料老人ホーム等の居住者へのサービス提供の場合、1月当たり600単位の減算となっている。

これについて、全ての建物を対象とする。

また1月当たりの利用者の人数が50人以上の場合の減算幅を拡大することを示した。29年度介護事業経営実態調査結果では同サービスの利用者が50人以上の事業所の収支差率は14.3%と高かったため(ただし同一建物のケースに限らない)(図表4~6)。

▲図表4 同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬(定期巡回・随時対応サービス)

▲図表5 定期巡回・随時対応型サービス事業所の経営実態

▲図表6 集合住宅におけるサービス提供の場合の報酬

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