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平成30年度診療報酬改定の議論が実質的に終了(1月31日・中医協総会)

中医協総会(田辺国昭会長)は1月31日、次期診療報酬改定に向けた議論を実質的に終えた。同日は、前回の議論を踏まえた個別改定項目の修正項目の変更・追加を確認し、了承した。

26日に、急性期一般入院料の「重症度、医療・看護必要度」の基準値は公益裁定で決まったが、そのほかの個別改定項目の点数などは、まだ明らかになっていない。近日中に総会を開き、点数などを含めた改定内容を了承し、加藤勝信厚生労働大臣からの諮問に平成30年度診療報酬改定を答申する。

個別改定項目については、主に次のような変更・追加が行われている。

◇急性期一般入院料2、3の経過措置
◇診療実績データを用いる場合の特例の取扱い
◇かかりつけ医機能を評価する初診料の加算の算定要件
◇在総管・施設総管の適正化・充実の明確化
◇緩和ケア診療加算についての加算の名称変更
◇新設のオンライン診療料の算定患者を追加
◇ベンゾジアゼピン系の抗不安薬・睡眠薬を適正化する要件の見直し

答申の附帯意見も同日、項目を追加した上で了承した。

急性期一般入院料2、3の経過措置

200床未満で7対1入院基本料を届け出ている病院に対しては、急性期一般入院料2、3を届け出る場合の経過措置を設ける。

本則では、DPCデータの診療実績データ(重症度、医療・看護必要度Ⅱ)だけを用いるが、経過措置では、「重症度、医療・看護必要度Ⅰ」を用いても差し支えないとの取り扱いにした。

1.一般病棟入院基本料(7対1、10 対1)について、再編・統合し、新たに、急性期一般入院基本料とする。
[経過措置]
(1)平成30年3月31日時点で許可病床数200床未満の病院で7対1一般病棟入院基本料の届出を行っている病棟が、急性期一般入院料2又は急性期一般入院料3を届け出る場合は、平成○年○月○日までの間に限り、重症度、医療・看護必要度の評価において、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰを用いても差し支えない。
(2)平成○年○月○日時点で7対1一般病棟入院基本料及び病棟群単位の届出を行っている病棟は、平成○年○月○日までの間に限り、急性期一般入院料2又は急性期一般入院料3の施設基準を満たしている場合は当該入院料を届け出ることができる。
(2)平成30年3月31日に10対1一般病棟入院基本料の届出を行っている病棟のうち、平成30年4月1日以降、急性期一般入院料7を算定する病棟については、名称変更となるが、新たな届出は必要ない。
(「個別改定項目について」(平成30年1月31日)P83-86より抜粋)

診療実績データを用いる場合の特例の取扱い

「重症度、医療・看護必要度Ⅱ」はDPCデータであるため、データ提出は3カ月ごとになる。一方、一般病棟の入院基本料では、「歴年で3カ月を超えない期間の1割以内の一時的な変動」であれば、届け出の基準を満たさなくなった場合でも、変更の届け出なくてよいとの決まりがある。

DPCデータの場合、3カ月は変動を把握できないため、「3カ月の平均値が該当基準を下回る場合は直ちに変更の届出が必要となる」とした。

2.一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の評価について、診療実績データを用いた場合の評価を設ける。
(1)現行方法による評価
現行の「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」は、「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ」と名称を変更する。
(2)診療実績データを用いた場合の評価
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のA項目及びC項目に対応する診療報酬請求区分について、診療実績データを用いて、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のB項目とあわせて該当患者割合を判定する手法を、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の評価として設け、医療機関が現行の評価方法と当該方法とを選択できるようにする。

(新) 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅱ

[施設基準]
(1)一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの基準を満たす患者の割合は、届出前3月間の平均値を基本とすること。(ただし、届出受理後の措置である「暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動」は適用とならないため、3月の平均値が該当基準を下回る場合は直ちに変更の届け出が必要となる。)
(2)一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅱを用いる場合は届出をすること。一般病棟用の重症度、医療・看護必要度ⅠとⅡの判定方法の変更の届出頻度は○月おきとするが、入院料の変更に伴う判定方法の変更はこの限りでない。
(3)一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅱの届出を行う場合は、届出前3月間において、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰの基準を満たす患者の割合と一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅱの基準を満たす患者の割合の差が、別に定める割合の範囲内であること。

(「個別改定項目について」(平成30年1月31日)P90-91より抜粋)

かかりつけ医機能を評価する初診料の加算の算定要件

かかりつけ医機能を評価する初診料での加算(機能強化加算)の算定要件の文言を修正した。機能強化加算を算定できるのは、地域包括診療加算、地域包括診療料、認知症地域包括診療加算、認知症地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料(在宅療養支援診療所または在宅療養支援病院に限る)、施設入居時医学総合管理料(同)を算定している医療機関(診療所または200床未満の医療機関)。

この中には、届出が必要とする診療報酬と必要としない診療報酬がある。ただ「算定している」と書くと、届け出ていても算定していなければ加算できないとの誤解が生じるため、文言を明確化した。

③かかりつけ医機能を有する医療機関における初診の評価
(新)初診料 機能強化加算 ○点

[算定要件]
地域包括診療加算、地域包括診療料、認知症地域包括診療加算、認知症地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る。)、施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る。)を届け出等している保険医療機関(診療所又は200床未満の保険医療機関に限る。)において、初診を行った場合に、所定の点数に加算する。

(「個別改定項目について」(平成30年1月31日)P157より抜粋)

在総管・施設総管の適正化・充実の明確化

在宅時医学総合管理料や施設入居時等医学総合管理料については、患者の状態に応じた細やかな評価とするため、適正化と充実が行われる。月2回以上の訪問診療を行った場合の在総管・施設総管を適正化し、月1回の訪問診療を行っている場合の在総管・施設総管を充実する。

ただし一定の状態にある患者については、加算を新設する(包括的支援加算)。加算の新設は26日の個別改定項目にはなく、その代わりに、月2回以上の訪問診療を行っている場合の在総管・施設総管の対象患者の要件を明記していた。

1.通院が特に困難と考えられる患者、関係機関との連携に特に支援を必要とする患者等について、在総管及び施設総管の加算を新設する。
(新) 包括的支援加算 ○点(月1回)

[対象患者]
以下のいずれかに該当する患者
(1)要介護○以上に相当する患者
(2)認知症高齢者の日常生活自立度でランク○以上の患者
(3)週○回以上の訪問看護を受ける患者
(4)訪問診療時又は訪問看護時に処置(簡単な処置を除く)を行っている者
(5)特定施設等の入居者の場合には、医師の指示を受けて、看護師がたんの吸引、胃ろう・腸ろうの管理等の処置を行っている患者
(6)その他、関係機関等との連携のために特に重点的な支援が必要な患者

(「個別改定項目について」(平成30年1月31日)P168より抜粋)

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