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社会保険旬報 編集部

医師の時間外労働の上限設定で3つのパターン示す――厚労省の医師の働き方改革検討会(2018/12/5)

【シリーズ連載開始に当たり】
人口減少と少子高齢化が進み、限りある資源がさらに逼迫するわが国の医療提供体制は、今後、診療報酬改定のみならず、医療提供体制の改革によって再編を進めていかなければならないと考えられます。本連載では、厚労省の関連審議会・検討会の検討状況などから、医療を提供する側/受ける側、都市/地方など、複数の視点から今後の医療提供体制のあり方を考えていきます。

厚労省の「医師の働き方改革に関する検討会」は12月5日、医師の時間外労働規制の上限設定について議論した。厚労省は時間外労働時間の上限設定として、3つのパターンを示した。全体で達成を目指す水準を「脳・心臓疾患の労災認定基準の水準を考慮した水準」とした上で、特例で「地域医療確保の観点」と「一定の期間集中的に技能向上を必要とする医師」の2つの措置を設ける。特例措置では対象医療機関を特定し、勤務間インターバルなどを義務化する。

同検討会は昨年8月に初会合を開き、今年2月には緊急対策としての中間整理をまとめた。7月に検討会を再開し、応召義務やさらなるタスクシフティング、宿日直・自己研鑽、医療の特性・医師の特殊性などを議論してきた。今回から時間外労働の上限設定の議論に入った。来年3月末までにとりまとめを目指す。

働き方改革による労働基準法改正では、36協定を結んだ特例での罰則付きの時間外労働の上限は年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(同)とした。医師は例外とし、別に上限を省令で決め、2024年度から適用することになった。

今回、厚労省が示した骨格(図1)は、医療が24時間365日のニーズがあるため、休日労働込みの時間数として上限時間を設定することを提案。
全体で達成を目指す水準として、「脳・心臓疾患の労災認定基準の水準を考慮した水準」とした。これは一般則を超える水準であることから、連続勤務時間制限や勤務間インターバルの確保を努力義務とする。また、月当たり時間数で上限を超えることは、医師による面接指導と、その結果を踏まえた就業上の措置を条件に認める。

図1 上限時間数と上乗せ健康確保措置の骨格(イメージ)

できるだけ多くの医師が2024年から、この基準に適用されるよう、医師偏在対策や勤務環境改善策、タスクシフティング、タスクシェアなどを通じて、労働時間の短縮に取組むとの基本的な考え方が示されている。

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