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第4回 サービス担当者会議は「暮らしの人生会議」、本人の思いと医療・ケアチームをつなぐ場を実現しよう

サービス担当者会議は、利用者の思いを医療・ケアチームにつなぐ重要な会議だ。しかし、これがなかなか難しい。忙しい専門職を集めるだけでも大変なことで、限られた時間で効果的な会議にするのも容易ではない。サービス担当者会議は、各分野の専門家からケアプラン原案に助言をもらう「プロフェッショナル会議」。よりよいケアプランとするために大事にしてほしい。

ケアマネジメントプロセスを確認しよう

最初に、ケアマネジメントプロセスについて整理しておきたいと思います。

ケアマネジャーは、利用者の生活課題(ニーズ)と適切な社会資源を結びつけるために、ソーシャルワーク(社会福祉援助技術)の関連技法である「ケアマネジメント」を用いています。

「ケアマネジメント」の定義は数多くありますが、白澤政和氏『ケースマネジメントの理論と実際(中央法規)』では、「利用者の社会生活上のニーズを充足させるために適切な社会資源と結びつける手続きの総体」と定義されています。

介護保険法におけるケアマネジメントのプロセスは、①受付(インテーク)②アセスメント(課題分析)③ケアプラン原案作成 ④サービス担当者会議(ケアプラン原案作成)⑤サービスの実行 ⑥モニタリング ⑦評価 の7段階から構成され、再びアセスメントに戻る「PDCAサイクル」として示されています。

 

ケアマネジメントプロセスは重層性のある構造であり、各項目は独立しているものではありません。ケアマネジメントプロセスを平面的に捉えると、各項目の繋がりが見えず、1つ1つが単なる作業になってしまいがちです。

利用者を理解し暮らしを支え続けていくためには、ケアマネジメントプロセスを循環サイクルとして機能させることが必要です。

ケアプラン原案の作成は孤独な作業

ケアマネジャーにとって、アセスメント(課題分析)は最も重要なケアマネジメントプロセスの1つです。しかし「生活課題を分析する」とは、なんと難しいことだろうと思います。ケアマネジャーのアセスメント次第で利用者の生活課題の捉え方が変わり、提案するケアプラン原案も大きく変わる可能性があるからです。

ケアプラン原案は、もちろんそのままでは完成ではありません。「サービス担当者会議」を経てケアプランを確定させるという手順をふむことが必要です。

筆者がケアマネジャーになりたてのころは、日々追われるようにケアプラン原案を作成していました。今思えば、アセスメントもきちんとできていないまま、利用者やケアチームにつたないケアプラン原案を提案していたように思います。

また経験を重ねるにつれ、「ケアプラン次第で利用者の暮らしが変わる」ということも実感するようになりました。ケアプラン原案に対する責任の重さを感じ、正直気が重くなった時期もありました。

ケアプラン原案の作成は、とても孤独な作業ですよね。常に「この内容で大丈夫だろうか・・・」と不安だったことを思い出します。誰も「いいね!」と言ってくれないし、自分のアセスメントにも自信がもてない、そんな不安を抱えているケアマネジャーは数多くいるのではないでしょうか。

ケアプランは、本来ケアマネジャーだけで作るものではありません。ケアチーム全員が、合意形成をしながら一緒に作り上げるものです。そのための場が「サービス担当者会議」といえます。

サービス担当者会議では、ケアマネジャーが作成する「ケアプラン原案」が議論のたたき台になります。ケアマネジャーが捉えた利用者の生活に対する意向やニーズについて、ケアチーム全員で確認をしながら望む暮らしのイメージを固めていきます。そして各専門職が意見を出し合い、より自立を目ざせるケアプランになるように、修正をかけていきます。

ケアプラン原案の責任はケアマネジャーにありますが、「確定したケアプラン」は、ケアチーム全員が責任をもたなくてはいけません。利用者・家族とケアチームが、共に同じ目標に向かっていく指標がケアプランだと思うからです。

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