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第4回 サービス担当者会議は「暮らしの人生会議」、本人の思いと医療・ケアチームをつなぐ場を実現しよう

サービス担当者会議は暮らしの人生会議

平成30年3月に、厚生労働省から「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスにおけるガイドライン」の改定がなされました。
これまで「終末期医療」と言っていた文言を「人生の最終段階における医療」に修正しました。また地域包括ケアシステムの構築が進められていることを踏まえ、「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」の概念を盛り込み、医療・介護の現場における普及を図ることを目的に文言変更や解釈の追加が行われました。

ガイドラインにおいてACPとは、「人生の最終段階の医療・ケアについて本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス」と定義されています。「ケア」「ケアチーム」という言葉が加わり、市民向けにも普及啓発が始まっています。

人生の最終段階について繰り返し話し合うプロセスに、医療チームだけでなく、ケアチームが加わることになったことは画期的なことです。
多くの人は、人生の最終段階がいきなり訪れるわけではありません。
もちろん、ある日突然末期ガンの宣告を受ける方もいるでしょう。しかし高齢者の多くは、加齢に伴って起こる病気によって何らかの障害を抱えたり、認知症を発症したり、今まで出来ていたことが少しずつできなくなりながら、人生の最終段階に近づいていくのではないでしょうか。

ケアマネジャーは、人生の最終段階に近づく手前の段階から利用者の側にいます。利用者の過去の暮らしも、今の暮らしも大切にしながら、これからの暮らしを支えるケアチームを創り、利用者の思いを軸にケアマネジメントを実践しています。

ケアマネジャーにとってACPとは、目新しいことでも特別なことでもなく、日々の暮らしの中で行われていることだと思うのです。そして繰り返し話し合う場として、「サービス担当者会議」があるのではないでしょうか。

ケアマネジャーの皆さんにとって、サービス担当者会議はケアマネジメントプロセスの1つに過ぎないかもしれません。しかし、サービス担当者会議の目的や開催の仕方によっては、大切な「暮らしの人生会議」にすることができるのです。サービス担当者会議の開催調整は本当に大変だと思いますが、ぜひ利用者の暮らしの場で開催されるサービス担当者会議を、大事にしてほしいと思います。

 

第5回は、古澤看護師が「ケアマネジャーに求められる『意思決定支援』とは?日常的な多職種連携があるからこそ活きるACP(アドバンス・ケア・プランニング)」について、ケアマネジャーの皆さんへ熱いメッセージを送ります。

高岡 里佳(たかおか・りか)
日本福祉大学社会福祉学部卒業 主任介護支援専門員 社会福祉士
一般企業、介護職、老人保健施設支援相談員を経て、医療法人財団緑秀会田無病院に併設の田無居宅介護支援事業所に入職。
在宅ケアマネジャー兼管理者として勤務後、田無病院地域医療連携室の設立に携わり、2008年医療福祉相談室と地域医療連携室を「医療福祉連携部」に統合、初代連携部部長を務める。
2016年7月より、西東京市在宅療養支援窓口(仮)開設準備室に出向、同10月西東京市在宅療養連携支援センター「にしのわ」センター長として勤務。
在宅と病院勤務の経験を通し、「もっと自信をもって医療職と向き合えるケアマネジャーを増やしたい」と、医療・介護連携に取り組んでいる。(その他の活動)
特定非営利活動法人東京都介護支援専門員研究協議会副理事長
厚生労働省ケアプラン点検支援マニュアル作成委員、東京都介護給付適正化部会委員、東京都介護支援専門員実務・専門・主任・主任更新研修等講師など。

【著書】
『医療から逃げない!ケアマネジャーのための医療連携Q&A入門・応用』(東京都福祉保健財団)
『仕事がはかどるケアマネ術シリーズ⑤知ってつながる!医療・多職種連携-ケーススタディで納得・安心―』(第一法規出版)
『これで安心!ケアマネが教えるはじめての親の入院・介護 あわてないための鉄則55』(技術評論社)
『スーパー総合医 地域医療連携・多職種連携』第3章 医療・介護・福祉との連携 執筆(中山書店)

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