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[健康保険][海外療養費]海外臓器移植の療養費支給に係る判断基準等を公表

【通知】臓器移植に係る海外療養費の取扱いについて(平成291222日保保発1222第2号・保国発1222第1号・保高発1222第1号)

【事務連絡】臓器移植に係る療養費及び移送費の取扱いに係るQ&Aの送付について(平成291222日保険課・国民健康保険課・高齢者医療課事務連絡)

臓器移植に係る海外療養費の取扱いに関して、保険者が「やむを得ないもの」と判断するにあたり、その基準や必要となる証明書等について明示された。

保険者は、当分の間、取扱いの状況等について厚生労働省に報告をし、厚生労働省が内容等を確認し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じる可能性があるとされている。取扱い状況等の報告方法ついては、別に示されることとなっている。

<海外療養費の支給が認められる「やむを得ない」に該当する場合>

被保険者等の状態が次のいずれも満たす場合には、海外療養費の支給が認められる「やむを得ない」に該当する場合と判断できる。
① 臓器移植を必要とする被保険者等がレシピエント適応基準に該当し、海外渡航時に日本臓器移植ネットワークに登録している状態であること
② 当該被保険者等が移植を必要とする臓器に係る、国内における待機状況を考慮すると、海外で移植を受けない限りは生命の維持が不可能となる恐れが高いこと

<海外療養費の申請に必要な書類>

① 日本臓器移植ネットワークの登録証明書の写し
② 「海外療養費の支給が認められる「やむを得ない」に該当する場合」の①・②について、臓器移植を受ける被保険者等の主治医(学会認定の移植認定医)が作成した海外の施設への紹介状の写しに、部門長又は施設長がサインしたもの
③ 海外の施設に入院していた間の経過記録の写し

また、国内における療養費や移送費の取扱いについても疑義が生じていたことから、「臓器移植に係る療養費及び移送費の取扱いに係るQ&A」が作成されている。ただし、既に決定した支給額をこのQ&Aにより遡って訂正する必要はない。

Q&Aは以下のQ1からQ15までが示されている。

▽国内における臓器等移植
Q1
一般の移送費の支給と同様に、国内での臓器移植を受ける患者が、療養の給付を受けるため、病院又は診療所に移送されたときは、移送費の支給を行うこととなるのか。

A1
平成6年9月9日付け通知の「健康保険の移送費の支給の取扱いについて」(保険発第119号、庁保険発第9号)(以下「平成6年通知」)において、移送費が支給される場合について例示されている。これによると、国内で臓器移植を受ける患者においても、例えば、「移動困難な患者であって、患者の症状から見て、当該医療機関の設備等では十分な診療ができず、医師の指示により緊急に転院した場合」には、移送費を支給することが必要となる。

Q2
一般的に、移送費として算定する金額について、移送される患者においては往路だけでなく復路も支給対象となり得るのか。医師、看護師等付添人についても同様か。また、臓器等の採取を行う医師の派遣に要した費用や臓器等を搬送した場合における搬送に要した費用についても同様か。

A2
平成6年通知に記載される移送費の支給額において、「経路については、必要な医療を行える最寄りの医療機関まで、その傷病の状態に応じ最も経済的な経路で算定すること。」とされているため、移送される患者については往路のみが支給対象である。

一方、①移送される際、医学的管理が必要であると医師が判断した患者に対する医師、看護師等の付添、②臓器等採取のための医師の派遣及び③臓器等の搬送については、医師、看護師等が関係施設間で行き来を行うことが必要となることから、往復の交通費が対象となる。ただし、上記3点における復路については、最も経済的な経路で算定すること。

Q3
移送費における医師、看護師等付添人については、医学的管理が必要であったと医師が判断する場合に限り、原則として1人までの交通費を算定することになっているが、療養費として支給する臓器採取を行う医師の派遣に要した費用についても同様の理解で良いか。

A3
一般的に、臓器の採取のための医師派遣は複数名のチームで行われるため、臓器の採取を行う医師の派遣に要した費用は2名までの交通費の算定を標準とすること。ただし、臓器の摘出の際、医師の他、看護師や技師等がチームとして臓器の摘出のために医師と共に派遣される場合は、3名以上の移送費を支給することも可能である。この際、被保険者に対して、派遣される医師等が必要である理由が記載された医師の意見書等を求めて差し支えない。

Q4
療養費として支給する臓器の搬送に要した費用についても、臓器採取を行う医師の派遣に要した費用(Q3)と同様の理解で良いか。

A4
臓器採取を行う医師の派遣に要した費用同様、臓器の搬送に要した費用についても、2名までの交通費の算定を標準とすること。ただし、3名以上で、臓器の搬送が行われることもあるので、その場合には、3名以上の交通費の算定を行うことも可能である。この際、被保険者に対し、臓器の搬送について理由が記載された医師の意見書等を求めて差し支えない。

Q5
療養費として支給する臓器等採取を行う医師の派遣や臓器等の搬送にかかる費用について、宿泊費や食費、運送会社を利用した場合の配送料は療養費の支給対象か。

A5
医師、看護師等については、交通費を支給するものであるから、宿泊費や食費等は療養費の支給対象とならない。また、運送会社を利用した場合の配送料については、最も経済的な通常の経路及び方法によるものである限り、支給対象となる。

Q6
臓器等採取を行う医師の派遣に要した費用や臓器等を搬送した場合における搬送に要した費用については、「療養費として支給し、それらの額は移送費の算定方法により算定する」こととされているため、あくまで療養費として支給するものと解して差し支えないか。

A6
差し支えない。医師の派遣や臓器の搬送に要した費用については、あくまで療養費として、その費用を移送費の算定方法により算定し、その額に健康保険法第74条第1項各号、船員保険法第55条第1項各号、国民健康保険法第42条第1項各号及び高齢者の医療の確保に関する法律第67条第1項各号に掲げる場合の区分に応じ、自己負担割合を乗じて得た額を控除した額を基準として、保険者が定めること。

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