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[介護報酬]特定処遇改善加算の運用上の取扱い等を議論(2019年3月6日・介護給付費分科会)

社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)は6日、10月の消費税率10%までの引き上げに伴う介護報酬改定で導入される、新たな「介護職員等特定処遇改善加算」の取得要件にかかる運用上の具体的な取り扱いを検討し、厚労省が示した対応案を概ね了承した。検討事項は新加算の関連通知やQ&Aなどに盛り込まれる。厚労省は3月末を目途に新加算の告示を公布するとともに、関連通知を発出する予定だ。

職場環境等要件の取組みは区分別に1つ以上

新加算の取得要件や加算率などについて2月13日に根本匠厚生労働大臣からの諮問案に分科会は了承し、社保審としても答申していた。

(答申における介護職員等特定処遇改善加算の概要については、前回記事→「[介護報酬]新たな「特定処遇改善加算」を導入、2019年度介護報酬改定を答申等(2019年2月13日・介護給付費分科会)」を参照)

厚労省は今回、取得要件にかかる運用上の事項に関して対応案を示し、意見を求めた。

新加算の取得要件としては、現行の介護職員処遇改善加算の(Ⅰ)~(Ⅲ)までのいずれかを取得していることに加えて、①処遇改善加算の職場環境等要件に関して複数の取り組みを行っている②処遇改善加算に基づく取り組みについてホームページへの掲載等を通じた見える化を行っている─こととされている。この点について厚労省は次のように対応案を示した。

具体的に①職場環境等要件に関して複数の取り組みを行っていることについては、同要件の「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」「その他」の区分ごとに1つ以上の取り組みを行うこととした(図表1・2)。

▲図表1 更なる処遇改善について①(論点1・職場環境等要件の複数の取組案 )

▲図表2 職場環境等要件の報告に関する通知様式

②ホームページへの掲載等については、介護サービス情報公表制度で公表することを示した。具体的に▽同制度の「提供サービスの内容」に、新加算の取得状況を報告すること▽「従業者に関する情報」に、賃金改善以外の処遇改善に関する具体的な取り組み内容の報告を求めること──とした。

あわせて情報公表制度で現行の処遇改善加算に関する具体的な内容がないことから、処遇改善に取り組む事業所であることを明確化することも示した(図表3・4)。

▲図表3 更なる処遇改善について①(HP掲載等を通じた見える化対応案)

▲図表4 情報公表制度の概要

また要件では、経験・技能のある介護職員において「月額8万円」の賃金改善又は、「役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)」を設定・確保することになっているが、「小規模な事業所で開設したばかりである等、設定することが困難な場合は合理的な説明を求める」としている。

この点について、厚労省は、▽小規模事業所等で加算額全体が少額である場合▽職員全体の賃金水準が低い場所などで、直ちに1人の賃金を引き上げることが困難な場合▽8万円等の賃金改善を行うに当たり、これまで以上に事業所内の階層・役職やそのための能力・処遇を明確化することが必要になるため、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間に要する場合──を基本として判断することを提案した(図表5)。

▲図表5 更なる処遇改善について②(論点2・設定が困難な場合)

「経験・技能のある介護職員」について、勤続10年以上の介護福祉士を基本とし、介護福祉士の資格を持つことを要件としつつ、「勤続10年」の考え方は事業所の裁量で設定できることしている。

この「勤続10年」の考え方について、厚労省は▽勤続年数を計算するに当たり、同一法人のみの経験でなく、他法人や医療機関等での経験等も通算できること▽10年以上の勤続年数が無い者でも業務や技能等を勘案し対象とできること──を示した(図表6)。

これまでの委員からの要望を踏まえ、厚労省は、事業所内における配分では、現行の処遇改善加算で、法人が複数の介護サービス事業所を有する場合等の特例として、一括した申請を認めることとしていることを踏まえ、新加算でも同様に法人単位での対応を認めることを示した(図表6)。

▲図表6 更なる処遇改善について③(論点3・10年の考え方案/論点4・法人対応の申請案)

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