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社会保障フォーラム2日目 厚労省担当者が生活保護や、介護保険法改正について講演(7月20日)

社保研ティラーレが主催する第13回地方から考える「社会保障フォーラム」の2日目が20日に開かれた。

20日には厚生労働省社会・援護局保護課長の鈴木建一氏が「生活保護」について、また同省医政局経済課長(前・老健局振興課長)の三浦明氏が「地域包括ケアシステムの深化と地方自治体の役割」について、それぞれ講演した。

生活保護制度等の見直しを部会で検討

鈴木氏はまず、生活保護制度の概要を説明した後、現況を紹介。その上で適正化に向けたこれまでの改正と現在の取り組み、2018年に向けた制度の見直し等について解説した。

生活保護受給者数は約215万人。2015年3月をピークに減少に転じている。生活保護受給世帯数は約164万世帯。世帯別類型でみると、高齢者世帯が52%を占める。また年齢別の被保護人員でみても、65歳以上の高齢者の伸びが大きく、全体の45.5%になる。

保護率は今年3月時点の全国平均で1.69%。都道府県別に見ると、トップの大阪府は3.31%だが、最も低い富山県は0.33%であり、ほぼ10倍の格差がある。

生活保護費負担金は3.8兆円(2017年度当初予算)。内訳が把握できている2015年度をみると、48.1%とほぼ半分は医療扶助が占める。

医療扶助費の適正化に向け、生活保護における後発医薬品の使用を促進している。使用状況は2016年6月審査分における全国平均で69%。経済・財政再生計画の改革工程表では2017年央までに75%にすることが示されている。地域格差があり、最も進んでいる沖縄県で81%、最も低い徳島県で59%となっている。

今後のことについて、鈴木課長は、2018年の通常国会に改正法案を提出することも見据え、社会保障審議会の生活困窮者自立支援及び生活保護部会を設置し、生活困窮者自立支援制度と生活保護の両制度の検討を進めていることを示した。

また、現行では大学等進学の場合、同一世帯に住んでいても世帯分離を行い保護費は支給しない取り扱いになっている。生活保護の対象外になるので、新たな生活を開始するための費用や、国保の保険料の負担などについて指摘されており、その取り扱いについて、「今後予算編成過程で検討する」とした。

他方、全国消費実態調査等のデータに基づき、生活保護基準の検証を進めていることも説明した。

法改正により保険者機能の強化等を促進

三浦氏は、介護保険制度の現況を説明した後、6月2日に公布された「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」について解説した。

介護保険法等一部改正法については、①自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組の推進②新たな介護保険施設「介護医療院」の創設③共生型サービスの創設など地域共生社会の実現に向けた取組の推進④2割負担者のうち所得の高い層への3割負担の導入⑤被用者保険者の介護納付金への総報酬割の導入──などについて説明した。一部を除き、2018年4月から施行される。④3割負担の導入は2018年8月1日から施行される。⑤総報酬割は今年8月分から適用される。

三浦課長は①保険者機能の強化等の取組の推進について、「市町村頑張ってほしい、その一言」と表現。

認定率の地域差に触れ、「高いから悪いということはない」と指摘。大切なこととして、自分たちの市町村の状況を把握して分析し、「どうあるべきか」を議論することが重要とした。

その上で今回の改正により、全市町村が保険者機能を発揮して自立支援・重度化防止に取り組むように▽データに基づく課題分析と対応▽適切な指標による実績評価▽インセンティブの付与──を法律で制度化したことを説明。「システムとして取り組む」とした。

また大分県が管内の市町村を支援した事例にふれ、「介護保険は市町村行政だが、都道府県のサポートの下に、全市町村の底上げを図る時期に来ているのかと思う」と述べた。

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