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【詳解】第75回社会保障審議会介護保険部会(2月25日)

2040年を見据えた議論を求める

意見交換で健保連の河本滋史委員は、介護給付費について2018年度の10.7兆円から2040年に25.8兆円に増加する見通しが示されている(図表4)ことから、第8期介護保険事業計画に向けても「制度の持続可能性を考えると給付と負担について踏み込んだ検討が必要」と主張した。

▲図表4 2024年を見据えた社会保障の将来見通し

第2号被保険者の負担増を踏まえ、「改革工程表の検討事項に限らず、給付と負担を大胆に見直していくことが不可欠」とした。

日本医師会の江澤和彦委員も「2040年を見据えた第8期介護保険事業計画を議論の中心に据えていただきたい」と要請。2034年に全国ベースで、40~64歳人口と65歳以上が逆転する見通しを踏まえ、「給付と負担の議論はすべきだが、それだけでは限界を超えている」と述べ、新たな財源の確保や給付対象を重度者に絞るなどの議論の必要性を指摘した。

また介護保険事業計画の策定の関係で、地域医療構想の中で2025年を目途に入院外となる約30万人(図表5)を地域でどう支えるか、多くを占める医療区分1を在宅医療や介護施設などで受け止められるかが課題であることを強調し、地域医療構想調整会議に自治体の介護部門担当者も参加すべきとした。

▲図表5 地域医療構想を踏まえた2025年における介護施設・在宅医療等のイメージ

協会けんぽの安藤伸樹委員も「負担能力に応じた負担を求めていくことを基本に、世代内、世代間の負担の公平性の確保が最も大切」と指摘。また制度の持続可能性の確保のためにも保険者機能の強化の重要性を強調。2018年度から導入されたインセンティブ交付金(保険者機能強化推進交付金)と評価指標(図表6)の必要な見直しに向けた検討を訴えた。

▲図表6 保険者機能強化推進交付金

全国老人福祉施設協議会の桝田和平委員は、就労する高齢者が増加する状況(図表7)なども踏まえ、第2号被保険者の範囲に関して検討することを求めた。

▲図表7 生産年齢人口の急減という局面で健康寿命の延伸に取り組むことの重要性

日本介護支援専門員協会の小原秀和参考人は、ケアプラン作成の利用者負担の導入には「利用者が相談しにくくなり結果的に発見が遅れたり、サービス提供が遅れたりする状況は国民の利益にならない」などとし反対を表明した。

またケアプラン作成でのAIの活用には賛意を表明。「実用に向けて積極的に関わっていきたい」とした。

民間介護事業推進委員会の山際淳委員は、「介護人材の確保」(図表8・9)について検討する横断的事項に追加するように要望した。

▲図表8 第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について

▲図表9 総合的な介護人材確保対策(主な取組)

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