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PCR 検査体制強化に向け歯科医師に検体採取認める(4月26日)

厚労省は4月26日、 「PCR 検査に係る人材確保に関する懇談会」を開き、PCR検査体制の強化のために設置する「地域外来・検査センター」(帰国者・接触者外来)において歯科医師に検体採取を認めることを提案し、了承を得た。医療現場の人手不足を補い、保健所の負担を軽減する観点から、期間と場所を限定した特例として、歯科医師の検体採取を認める。実施に当たっては、研修の実施と患者の同意を条件とした。

「地域外来・検査センター」は、新型コロナウイルスの感染が拡大している地域において、十分な検査体制を確保するため、地域の医師会等に委託して設置するもの。厚労省は4月15日の事務連絡で、地域外来・検査センターの運営を地域医師会等に委託できることを示した。センターにおける診療・検査は診療報酬の対象となる。運営費の2分の1は国庫負担。

PCR検査では、検体として鼻腔・咽頭の拭い液を採取する必要があり、感染のリスクを伴う。検査体制を整備するには、検体採取業務を行える医師、看護職員、臨床検査技師の確保が課題となるが、歯科医師も検体採取を行えるようにして体制を整えることとした。

法制上の課題を整理、懇談会の了承得る
「PCR 検査に係る人材確保に関する懇談会」は、医道審議会医師分科会および歯科医師分科会の合同の懇談会として開催。懇談会に出席した厚労省の吉田学医政局長は、「歯科医師にもその専門性を活かして参画してもらいたい」と発言し、歯科医師に検査センターへの協力を求める考えを示し、法制上の枠組みを示した。

現行の医師法・歯科医師法では、新型コロナウイルスの診断を目的とした検体の採取は歯科医師の業務の範疇を超えるため医師法違反となる。厚労省は、感染が拡大するなかで医療提供体制を維持するために口腔領域に一定の能力を有する歯科医師が検体採取を行う場合は違法性が阻却されると整理。実施に当たっては、歯科医師が検体採取を行うことについて患者が同意していることと必要な研修を受けることを条件とした。

懇談会の了承が得られたことから、厚労省は4月27日に事務連絡を発出(新型コロナウイルス感染症に関するPCR検査のための鼻腔・咽頭拭い液の採取の歯科医師による実施について)。歯科医師の協力を得て、PCR検査体制の強化に取り組むよう都道府県に求めた。
歯科医師が受ける研修は、新型コロナウイルス感染症に関する基礎知識、感染管理の基本、個人防護具の着脱方法などを含む。実技研修も含めて3時間手度。厚労省はe-ラーニングも検討しており、地域で活用できるようにする考えだ。

日本歯科医師会は4月27日に見解を示し、PCR検査の検体採取に協力する考えを示すとともに、検体採取の担い手は「病院歯科・口腔外科の歯科医師や歯科麻酔医が主な対象になる」との見方を示している。

なお、歯科医師によるPCRの検体採取は、地域外来・検査センターに限定したもの。厚労省は、一般の歯科診療所ではPCR検査は受けられないことを注意喚起している。

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