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調剤明細書に書かれている点数とは? 調剤報酬の算定方法と『調剤報酬点数表の解釈』

病気やけがで医療機関にかかった際、医師から処方箋の交付を受けることがあります。
この処方箋を薬局に持っていくと、薬剤師がさまざまな確認や管理を行ったうえで、私たちに医薬品を渡してくれます。

保険薬局がこのような「調剤」を行った場合、後日、健康保険組合等の保険者から薬局に支払われるのが『調剤報酬』です。

すでにご存じの方には繰り返しになるかもしれませんが、この記事では、調剤報酬の基本的なしくみを説明したいと思います。
コンピュータが調剤報酬を瞬時に計算してくれるこの時代に、改めてその根拠をご確認いただければと思います。

なお、以下の説明は令和2年4月時点の制度に基づく情報となっています。

調剤報酬の算定方法

調剤報酬は、「健康保険法」第76条第2項および「高齢者の医療の確保に関する法律」第71条第1項の規定に基づく厚生労働大臣告示「診療報酬の算定方法」の別表第三に「調剤報酬点数表」として定められているものです。

健康保険法(大正11年法律第70号)
第76条 保険者は、療養の給付に関する費用を保険医療機関又は保険薬局に支払うものとし、保険医療機関又は保険薬局が療養の給付に関し保険者に請求することができる費用の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し被保険者が当該保険医療機関又は保険薬局に対して支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。
2 前項の療養の給付に要する費用の額は、厚生労働大臣が定めるところにより、算定するものとする。

診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)
三 (中略)保険薬局に係る療養に要する費用の額は、別表第三調剤報酬点数表により、1点の単価を10円とし、同表に定める点数を乗じて算定するものとする。

この点数表は、健康保険法や高齢者医療確保法のほか、国民健康保険法および感染症法等に基づく各種公費負担医療においても、これによることとされています。

調剤報酬点数表のしくみは、医科や歯科と同様です。
つまり、調剤に関する行為が細かく項目分けされ、それぞれに難易度等に応じて点数がつけられています。
実施した行為を点数表の中から拾い上げていき、その点数を足し合わせたものが請求点数となります。

請求点数=(1)調剤技術料+(2)薬学管理料+(3)薬剤料+(4)特定保険医療材料料

合計された請求点数に、1点の単価10円をかけたものが調剤報酬となります。
私たちは、加入している保険に応じて3割や2割などの自己負担額を窓口で支払います。

なお、調剤報酬点数表は医科や歯科と同じタイミングで2年ごとに大幅に改定され、現在は令和2年4月からの点数表が適用されています。

(1)調剤技術料


薬局の体制や薬剤師の調剤技術等に対する報酬が調剤技術料です。
調剤技術料は調剤基本料調剤料および加算料からなっています。

 

ア 調剤基本料

調剤基本料は、処方箋の受付1回につき、施設基準に係る区分に従い、それぞれの所定点数を算定します。施設基準を満たすとして届け出た以外の保険薬局は、特別調剤基本料を算定します。

 調剤基本料
調剤基本料1 42点
調剤基本料2 26点
調剤基本料3 21点
16点
特別調剤基本料 9点

同一患者から異なる医療機関の処方箋を同時にまとめて複数枚受け付けた場合、2回目以上の受付分については所定点数の100分の80を算定します。

調剤基本料の施設基準は、次の項目に応じて上のように区分されています。

  1. 処方箋の受付回数
  2. 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合
  3. 特定の保険医療機関との間での不動産の賃貸借取引の有無
  4. 当該保険薬局における医療用医薬品の取引価格の妥結率

ただし、取引価格の妥結率が5割以下である、またはかかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務を行っていない等の保険薬局は、所定点数の100分の50を算定します。

また、長期投与に係る処方箋のうち、長期保存が困難等の理由により分割調剤を行った場合は、2回目以降の調剤について、1分割調剤につき5点を算定します。初めて後発医薬品を服用等する患者に分割調剤を行った場合は、2回目の調剤に限り5点を算定します。

それ以外の場合で、患者の服薬管理が困難である等の理由により、医師が処方時に指示した場合には、薬局で分割調剤を実施します(処方医は、処方箋の備考欄に分割日数および分割回数を記載する)。

2回目以降の調剤時は、患者の服薬状況等を確認し、処方医に対して情報提供を行います。この場合、調剤基本料、調剤料および薬学管理料(服薬情報等提供料を除く)については、所定点数を分割回数で除した点数を1分割調剤につき算定します。

 

イ 調剤料

調剤料は、内服薬(浸煎薬および湯薬を除く)、屯服薬浸煎薬湯薬注射薬外用薬の6区分に分かれています。

内服薬の調剤料は1剤を1単位とし、3剤までを限度として、投薬日数に応じた5段階の定額制がとられています(7日分以下1剤28点、8日分以上14日分以下1剤55点、15日分以上21日分以下1剤64点、22日分以上30日分以下1剤77点、31日分以上1剤86点)。
ただし、内服用滴剤を調剤した場合は、投薬日数にかかわらず1調剤につき10点を算定します。

屯服薬については、剤数にかかわらず21点を算定します。

浸煎薬については、3調剤までを限度として、1調剤につき190点を算定します。

湯薬については、3調剤までを限度として、7日分以下190点、8日分以上28日分以下は7日目以下190点で8日目以上は1日分につき10点、29日分以上400点を算定します。

注射薬については、調剤数にかかわらず26点を算定します。

外用薬については、3調剤までを限度として、1調剤につき10点とされています。

 

ウ 加算料

加算料には、調剤基本料の加算として、地域支援体制加算、後発医薬品調剤体制加算があります。
また、調剤料の加算として、麻薬加算、向精神薬・覚醒剤原料・毒薬加算、時間外・休日・深夜加算、夜間・休日等加算、自家製剤加算、計量混合調剤加算、在宅患者調剤加算があります。

この他に、内服薬における嚥下困難者用製剤加算、一包化加算と、注射薬における無菌製剤処理加算が設けられています。

(2)薬学管理料


医薬品についての情報提供や指導等に対する報酬が薬学管理料です。
薬学管理料には、以下のものが定められています。

  • 薬剤服用歴管理指導料(麻薬管理指導加算、重複投薬・相互作用等防止加算、特定薬剤管理指導加算、乳幼児服薬指導加算、吸入薬指導加算、調剤後薬剤管理指導加算)
  • かかりつけ薬剤師指導料(麻薬管理指導加算、重複投薬・相互作用等防止加算、特定薬剤管理指導加算、乳幼児服薬指導加算)
  • かかりつけ薬剤師包括管理料
  • 外来服薬支援料
  • 服用薬剤調整支援料
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料(麻薬管理指導加算、乳幼児加算)
  • 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料(麻薬管理指導加算、乳幼児加算)
  • 在宅患者緊急時等共同指導料(麻薬管理指導加算、乳幼児加算)
  • 退院時共同指導料
  • 服薬情報等提供料
  • 在宅患者重複投薬
  • 相互作用等防止管理料
  • 経管投薬支援料

 

薬剤服用歴管理指導料

代表的な薬学管理料として薬剤服用歴管理指導料があげられます。

薬剤服用歴管理指導料は、患者に対して次の指導のすべてを行ったときなどに算定が可能です。

  • 薬剤情報提供文書の提供、基本的な説明
  • 服薬状況等の記録、必要な指導
  • お薬手帳に必要事項を記載
  • 残薬の確認
  • 後発医薬品に関する情報提供

さらに今回の改定では、改正薬機法が令和2年9月に一部施行されることを踏まえ、「オンライン服薬指導」についての規定も新設されています。

(3)薬剤料


医薬品の価格を点数にしたものが薬剤料です。
薬剤料は、調剤料の所定単位につき使用薬剤の薬価が15円以下である場合は1点とし、15円を超える場合は10円又はその端数を増すごとに1点を加算します。

保険給付の対象となる医薬品の価格は、厚生労働大臣により定められています。
これを「薬価基準」といい、医薬品の性質等と組み合わせて便利に参照できる書籍も市販されています(たとえば『薬効・薬価リスト』)。

レセプト事務のための 薬効・薬価リスト 令和2年度版』(2020年4月発行)

(4)特定保険医療材料料


特定保険医療材料の価格を点数にしたものが特定保険医療材料料です。

特定保険医療材料とは保険給付の対象となる医療材料で、たとえば患者さんが自宅で使う使い捨て注射器などが該当します。
処方箋により支給が認められている特定保険医療材料を保険薬局が支給した場合は、材料価格を10円で除して得た点数により算定します。

特定保険医療材料の価格は薬剤料と同様、「材料価格基準」として公定されています。

調剤報酬点数表の解釈

以上が調剤報酬の基本的なしくみであり、大部分は厚生労働大臣が定めた「告示」に書かれている規定です(上記とはかなり書きぶりが違います)。

ただし、告示で規定している内容だけで調剤報酬を算定することは現実的ではありません。
そこで、具体的な取扱いや補足的な事項は、当局(厚生労働省保険局医療課)が通知という形で示しています。

これらの告示や通知を見やすいようまとめて編集した書籍が市販されており、当社(社会保険研究所)の『調剤報酬点数表の解釈』はその代表的なものといえます。

調剤報酬点数表の解釈 令和2年4月版』(2020年6月発行)

調剤明細書を見てみよう

薬局で会計をした際に渡される「調剤明細書」には、調剤報酬の「調剤技術料」「薬学管理料」「薬剤料」といった項目ごとの点数が記載されています。

医療費の内容の分かる領収証及び個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書の交付について(令和2年3月5日保発0305第2号)
7 明細書については、療養の給付に係る一部負担金等の費用の算定の基礎となった項目(5の場合にあっては、療養に要する費用の請求に係る計算の基礎となった項目)ごとに明細が記載されているものとし、具体的には、個別の診療報酬点数又は調剤報酬点数の算定項目(投薬等に係る薬剤又は保険医療材料の名称を含む。以下同じ。)が分かるものであること。なお、明細書の様式は別紙様式5を標準とするものであるが、このほか、診療報酬明細書又は調剤報酬明細書の様式を活用し、明細書としての発行年月日等の必要な情報を付した上で発行した場合にも、明細書が発行されたものとして取り扱うものとすること。〔以下略〕


次回薬局で調剤を受けた際は、ぜひ、調剤明細書を確認してみてください。

なお、調剤報酬についてさらに詳細を知りたいという方には、調剤報酬の算定・請求に必要な情報を、実務上活用しやすいよう編集し、法令上の根拠とともに示している書籍『調剤報酬点数表の解釈 令和2年4月版』をおすすめします。

 

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