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CHASE活用の評価対象に居住系サービスも明示(11月26日)

厚労省は11月26日、令和3年度の介護報酬改定に向けて検討を続けている社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)に、各サービスの横断的な事項や介護保険施設・居宅介護支援に関してさらなる議論を求めた。

横断的な事項の1つの「自立支援・重度化防止の推進」に関して、令和3年度以降に一体的に運用する予定のCHASE・VISITを活用する場合の評価の在り方や加算等について、これまでの議論を踏まえ、さらに詳細を示した。

CHASE・VISITへのデータ提出とフィードバックの活用により更なるPDCAサイクルを推進しケアの質の向上を図ることを評価する対象として、施設系・通所系サービスに加えて居住系サービスを明示した(11月5日の分科会では、施設系・通所系サービスを中心に検討することを示していた)。他のサービスについて評価するかは検討を継続する。加算等の評価の有無にかかわらず、全サービスにデータ提出とフィードバックの活用を推奨していく。

次にCHASEを活用する加算を中心に紹介していく(他の横断的事項や介護保険施設・居宅介護支援は別途、紹介する)。

ADL維持等加算を特養などに拡大 

(地域密着型)通所介護に導入しているADL維持等加算について要件を緩和する一方、認知症対応型通所介護や特定施設入居者生活介護、(地域密着型)特養にも対象サービスを拡大することを提案した。CHASEを用いて利用者のADLの情報を提出しフィードバックを受けることを要件に加える。

さらに自立支援等に効果的な取組を行い、利用者のADLを良好に維持・改善する事業所を高く評価していくことも示した。

連合の伊藤彰久委員は、ADL維持等加算について、事業所による利用者の選別が起きることを懸念し、対応を要請した。

全国老人福祉施設協議会の小泉立志委員は要件緩和を支持。一方、「特養でADLの改善をめざしていくことは難しい」とし、要件の1つであるADL利得の考え方で配慮を求めた。

日本医師会の江澤和彦委員は、ADL維持等加算について、引き続きアウトカム評価に資するか検証を行うよう求めた。

施設の口腔衛生管理体制加算を廃止

介護保険施設における口腔衛生管理体制加算を廃止し、同要件の一部を緩和した上で基本サービス費の要件に追加することを提案した。他方、口腔衛生管理加算についてCHASEへのデータの提出とフィードバックの活用によるPDCAサイクルを推進しケアの質の向上を図ることを評価する上位加算を新設することを示した。

施設の栄養ケア・マネジメント加算を廃止

介護保険施設における栄養ケア・マネジメント加算を廃止し、同要件を基本サービス費の要件に追加することを提案した。管理栄養士による栄養ケア・マネジメントが困難な施設に対しては一定の経過措置を設ける。

栄養ケア・マネジメントを基本サービス費として行うに当たっては、人員基準に栄養士に加え管理栄養士を位置づけるとともに、運営基準で入所者ごとの栄養管理を計画的に行うよう努める。

また低栄養リスク改善加算を再編し、低栄養リスクが高い入所者全員への丁寧な栄養ケアの実施や栄養ケアに係る体制の充実を図っている場合の評価を新設することを提案。CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用によるPDCAサイクルを推進しケアの質の向上を図ることを要件とする。

通所サービスでの栄養改善を促進

通所サービスにおける栄養ケア・マネジメントについて管理栄養士と介護職員等による栄養アセスメントの評価の新設を提案。CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用によるPDCAサイクルを推進しケアの質の向上を図ることを要件とする。

栄養改善加算について通所事業所の管理栄養士が必要に応じ居宅を訪問して栄養改善サービスの取組を進めることとし、評価の充実を図ることを示した。

見直しに際して、通所事業所の管理栄養士は、外部(他の介護事業所、医療機関、介護 保険施設又は栄養ケア・ステーション)との連携による配置も認める。

施設の寝た切り防止で新たな評価

介護保険施設における、寝たきり予防・重度化防止のマネジメント等に対する新たな評価を導入することを提案した。加算を創設する方向だ。

定期的に全ての利用者に対する医学的評価と、それに基づくリハビリテーションや日々の過ごし方等についてのアセスメントを実施するとともに、ケアマネジャーやその他の介護職員が日々の生活全般において適切なケアを実施するための計画を策定して日々のケア等を行う仕組みを導入し、これを評価する。CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用によるPDCAサイクルを推進しケアの質の向上を求める。

褥瘡・排せつ支援でアウトカム評価

特養や老健施設に導入されている「褥瘡マネジメント加算」を見直し、算定の頻度を現行の3カ月に1回を限度とすることから毎月とする。褥瘡の発生に係るリスクの評価結果等についてCHASEを用いてデータを提出する。体制加算に加えて、褥瘡の発生予防や状態改善等に対する利用者単位の評価を新設する。

また介護保険施設に導入されている「排せつ支援加算」について、全ての入所者に対して定期的なスクリーニングの実施を求め、事業所全体の取組として評価することを提案した。

また現行は6カ月間に限り算定できるが6カ月以降も継続して算定できるようにする。さらに入所者全員に対する排せつ支援に加えて、排せつ状態が改善した場合に評価するアウトカム評価も新設する。CHASEを活用してPDCAサイクルを推進する。

対象サービスに看護小規模多機能型居宅介護を追加する。

アウトカム評価を実施するうえで、褥瘡マネジメント加算と排せつ支援加算について、それぞれ統一的な定義・指標を導入する。

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