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2021年8月施行!地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の認定要件とは

令和元(2019)年11月、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)が改正されました。
これに伴って、令和3(2021)年8月からは「機能別の薬局の認定制度」が始まります。
この制度は、特定の機能をもつ薬局が、都道府県知事の認定を受けて、それぞれの機能を名乗ることができるものです。
自局の果たす役割を地域に宣言できる制度として多くの薬局がこの制度を活用すれば、今後、患者や地域住民に広く浸透していく可能性があります。
本稿では、認定された薬局が名乗ることができる2つの薬局機能を紹介します。

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1.地域連携薬局

団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となる2025年に向けた医療・介護の提供体制の構築が進むなか、とりわけ在宅医療の需要の増大が見込まれています。
在宅医療において薬剤師には、服薬状況の管理や薬剤保管管理の指導といった役割が求められており、地域の薬局においてこうした役割を適切に果たしていくことが求められています。
そこで、「かかりつけ薬剤師・薬局の機能」を有する薬局を「地域連携薬局」として、都道府県知事が認定します。

(1)地域連携薬局の条文上の規定

条文上(薬機法第6条の2)は、他の医療提供施設と連携し、地域における薬剤及び医薬品の適正な使用の推進及び効率的な提供に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能を有する薬局は、申請により、その薬局の所在地の都道府県知事の認定を受けて、「地域連携薬局」と称することができることとしています。

(2)地域連携薬局に係る知事の権限

都道府県知事は、地域連携薬局の開設者に対して、①構造設備が基準に適合しなくなった場合には構造設備の改善命令を、②構造設備以外の認定要件を欠くことになった場合には業務を行う体制の整備命令を、それぞれ発出できます。
さらに、認定要件を欠いていたり、改善命令・整備命令に違反する地域連携薬局の認定を取り消すことができます。
なお、地域連携薬局はいわゆる名称独占であり、認定を受けていない薬局が類似した名称を含めて名乗ることはできません。
また、機能を適切に発揮していることを実績により確認する必要があるため、認定は1年ごとの更新制となっています。

(3)地域連携薬局の認定要件

地域連携薬局の認定の要件は、①プライバシーに配慮した相談しやすい構造設備、②医療提供施設との情報共有体制、③安定的に薬剤等を提供する体制、④在宅医療を行う体制が、それぞれ厚生労働省令で定める基準に適合することとされています。

地域連携薬局の認定要件

①プライバシーに配慮した相談しやすい構造設備
  • 利用者が座って服薬指導等を受けることができる、 間仕切り等で区切られた相談窓口等及び相談の内容が漏えいしないよう配慮した設備の設置
  • 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造
②医療提供施設との情報共有体制
  • 地域包括ケアシステムの構築に資する会議への定期的な参加
  • 地域の医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対し、利用者の薬剤等の使用情報について随時報告・連絡できる体制の整備
  • 地域の医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対し、利用者の薬剤等の使用情報について報告・連絡を行った実績(一定程度の実績)
  • 地域の他の薬局に対し、利用者の薬剤等の使用情報について報告・連絡できる体制の整備
③安定的に薬剤等を提供する体制
  • 開店時間外の相談応需体制の整備
  • 休日及び夜間の調剤応需体制の整備
  • 地域の他の薬局への医薬品提供体制の整備
  • 麻薬の調剤応需体制の整備
  • 無菌製剤処理を実施できる体制の整備(他局の無菌調剤室の利用を含む)
  • 医療安全対策の実施
  • 継続して1年以上勤務している常勤薬剤師の一定数以上の配置
  • 地域包括ケアシステムに関する研修を修了した常勤薬剤師の一定数以上の配置
  • 薬事に関する実務に従事する全ての薬剤師に対する、地域包括ケアシステムに関する研修又はこれに準ずる研修の計画的な実施
  • 地域の他の医療提供施設に対する医薬品の適正使用に関する情報の提供実績
④在宅医療を行う体制
  • 在宅医療に関する取組の実績(一定程度の実績)
  • 高度管理医療機器等の販売業等の許可の取得並びに必要な医療機器及び衛生材料の提供体制

2.専門医療機関連携薬局

地域に求められるもう一つの薬局機能として、がん等の疾病に対する専門的な薬学管理等を他医療提供施設と連携して対応することが挙げられます。
そこで、高度薬学管理機能を有する薬局を「専門医療機関連携薬局」として都道府県知事が認定します。

(1)専門医療機関連携薬局の条文上の規定

条文上(薬機法第6条の3)は、他の医療提供施設と連携し、専門的な薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能を有する薬局は、がん等の傷病の区分ごとにその所在地の都道府県知事の認定を受けて、「専門医療機関連携薬局」と称することができることとしています。同認定を受けた薬局が「専門医療機関連携薬局」と称する場合は、傷病の区分の明示が義務付けられます。

(2)専門医療機関連携薬局に係る知事の権限

都道府県知事は、専門医療機関連携薬局の開設者に対して、①構造設備が基準に適合しなくなった場合には構造設備の改善命令を、②構造設備以外の認定要件を欠くことになった場合には業務を行う体制の整備命令を、それぞれ発出できます。さらに、認定要件を欠いていたり、改善命令・整備命令に違反する専門医療機関連携薬局の認定を取り消すことができます。
なお、「地域連携薬局」と同様、専門医療機関連携薬局はいわゆる名称独占であり、認定を受けていない薬局が類似した名称を含めて名乗ることはできません。
また、機能を適切に発揮していることを実績により確認する必要があるため、認定は1年ごとの更新制となっています。

(3)専門医療機関連携薬局の認定要件

専門医療機関連携薬局の認定要件として、①プライバシーに配慮した相談しやすい構造設備、②医療提供施設との情報共有体制、③専門的な調剤・指導を医療提供施設と連携して適切に実施できる体制がそれぞれ厚生労働省令で定める基準に適合し、かつ④専門性の認定を受けた薬剤師を配置することを規定しています。

専門医療機関連携薬局の認定要件

①プライバシーに配慮した相談しやすい構造設備
  • 利用者が座って服薬指導等を受ける個室等の設備の設置
  • 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造
②医療提供施設との情報共有体制
  • 専門的な医療の提供等を行う医療機関との会議への定期的な参加
  • 専門的な医療の提供等を行う医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対し、傷病の区分(傷病の区分は「がん」。以下同)に該当する利用者の薬剤等の使用情報について随時報告・連絡できる体制の整備
  • 専門的な医療の提供等を行う医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対し、傷病の区分に該当する利用者の薬剤等の使用情報について報告・連絡を行った実績(一定程度の実績)
  • 地域の他の薬局に対し、傷病の区分に該当する利用者の薬剤等の使用情報について報告・連絡できる体制の整備
③専門的な調剤・指導を医療提供施設と連携して適切に実施できる体制
  • 開店時間外の相談応需体制の整備
  • 休日及び夜間の調剤応需体制の整備
  • 地域の他の薬局への傷病の区分に係る医薬品提供体制の整備
  • 麻薬の調剤応需体制の整備
  • 医療安全対策の実施
  • 継続して1年以上勤務している常勤薬剤師の一定数以上の配置
  • 傷病の区分に係る専門性を有する常勤薬剤師の配置
  • 薬事に関する実務に従事する全ての薬剤師に対する傷病の区分に係る専門的な研修の計画的な実施
  • 地域の他の薬局に対する傷病の区分に関する研修の定期的な実施
  • 地域の他の医療提供施設に対する傷病の区分に係る医薬品の適正使用に関する情報の提供実績
④専門性の認定を受けた薬剤師
  • 専門性の認定を受けた薬剤師(※)を配置していること。
    (※)厚生労働大臣に届け出た団体から認定を受けた薬剤師をいう。この「団体」については、学術団体として法人格を有している、会員数が1,000人以上である、専門性の認定に係る活動実績を5年以上有し、かつ当該認定の要件を公表している法人である等の基準がある

書籍『薬局スタッフのための改正薬機法ガイド』で薬機法の「そもそも」から把握する

上記の制度は令和3(2021)年8月から施行されるものですが、令和元年改正法の多くは令和2(2020)年9月より施行されたばかりです。
(薬局にかかわる項目では、たとえば「継続的な服薬指導の義務化」)

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また、薬局開設時からふだんの調剤業務まで、業務と密接にかかわる薬機法の重要ポイントを、根拠法令を示しながらわかりやすく解説します。

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