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令和3年度障害福祉サービス等報酬改定のポイント[3]医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進

令和3年4月から、障害福祉サービス等報酬が改定されました。 令和元年10月の消費税改正対応を除けば3年ぶりになる今回の全面改定は、6つの主要事項に沿って、障害者の重度化・高齢化を踏まえた地域移行・地域生活の支援や質の高い相談支援の提供、医療的ケア児への支援等を図るものです。

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の6つの主要事項のうち、今回は「3 医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進」について詳しくみてみます。

 

前回の記事:令和3年度障害福祉サービス等報酬改定のポイント[2]効果的な就労支援や障害児者のニーズを踏まえたきめ細かな対応

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定においては、前回改定で導入された医療的ケア児に係る判定基準が、厚生労働科学研究において開発された見守り等のケアニーズ等を踏まえた判定基準に見直されました。

これに伴い、児童発達支援および放課後等デイサービスにおいて、当該判定基準のスコアの点数に応じて段階的な評価を行う「医療的ケア児」の基本報酬区分が創設されました。

当該スコアの導入等を踏まえて、医療的ケア児を積極的に受け入れたり、必要な看護職を配置した事業所を評価したのが今回の報酬改定の大きな特長といえます。

(1)医療的ケアが必要な障害児に対する支援の充実

  • いわゆる「動ける医療的ケア児」にも対応した新たな判定スコアを用い、医療的ケア児を直接評価する基本報酬を新設。
  • 1事業所当たりごく少人数の医療的ケア児の場合(基本報酬では採算が取りづらい)であっても幅広い事業所で受入れが進むよう「医療連携体制加算」の単価を大幅に拡充。
  • 新たな判定スコアを用いた医師の判断を活用することにより、新生児から円滑に障害福祉サービスの支給決定が得られるよう運用改善を行う。

(2)放課後等デイサービスの報酬体系等の見直し

  • 現行の事業所を2区分に分けて報酬設定する方法を改め、より手厚い支援を必要とする子どもに応じて「個別サポート加算(Ⅰ)(Ⅱ)」「専門的支援加算」を算定可能とする((3)も同様)。
  • 支援の質を向上させるための従業者要件の見直し(障害福祉サービス経験者を廃止)を行う(経過措置有り)。

(3)児童発達支援の報酬等の見直し

児童発達支援センター

  • 乳幼児期の障害児の支援の中核機関として、より手厚い支援を必要とする子どもに応じて、きめ細かい支援が可能となるよう、「個別サポート加算(Ⅰ)(Ⅱ)」「専門的支援加算」を算定可能とする。
  • 難聴児の早期支援に向けて、児童指導員等加配加算の対象資格に手話通訳士および手話通訳者を追加。

児童発達支援センター以外

  • 従業者の配置に対して一律に加算する「児童指導員等加配加算(Ⅱ)」を改め、より手厚い支援を必要とする子どもに応じてきめ細かい支援が可能となるよう「個別サポート加算(Ⅰ)(Ⅱ)」「専門的支援加算」を算定可能とする。
  • 支援の質を向上させるための従業者要件の見直し(障害福祉サービス経験者を廃止)を行う(経過措置有り)。
  • 難聴児の早期支援に向けて、児童指導員等加配加算の対象資格に手話通訳士および手話通訳者を追加。

(4)障害児入所施設における報酬・人員基準等の見直し

  • 主として知的障害児を入所させる施設(4.3:1)、主として盲児又はろうあ児を入所させる施設(乳児又は幼児4:1・少年5:1)の現行の職員配置について、質の向上を図る観点から4:1に見直すとともに、基本報酬の見直しを行う。
  • 施設入所の際や退所して地域へ移行する際に家庭や地域と連携した支援を専門に行うソーシャルワーカーを専任で配置した場合、報酬上の評価を行う。

関連書籍

本記事は『障害福祉サービス報酬の解釈 令和3年4月版』および『障害者福祉ガイド 令和3年4月版』ならびに厚生労働省資料を元に作成しました。

障害福祉サービス報酬の解釈 令和3年4月版

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