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介護労働安定センターが「コロナ禍における介護事業所の課題と対策」を作成(7月27日)

介護労働安定センターは7月27日、令和2年度の特別調査である「新型コロナウイルス感染症禍における介護事業所の実態調査結果」を公表した。さらに、それに基づいた普及啓発パンフレット「コロナ禍における介護事業所の課題と対策」も作成した。

調査では、新型コロナを理由とした離職者は5%程度に止まったことが示された。また未就学前や小学生の子どもがいる労働者では「感染リスクに対する待遇処置がない(少ない)こと」に対して不満を抱く傾向が浮き彫りになり、パンフレットでは「子育て中の職員の勤務形態・勤務場所を見直すことも効果的」と指摘している。

調査結果及びパンフレットは介護労働安定センターのホームページで入手できる。

出典元:新型コロナウイルス感染症禍における介護事業所の実態調査

新型コロナを理由とした離職者がいた事業所は5%程度

調査は「感染多数地域」として選定した5都道府県(北海道・東京・愛知・大阪・福岡)と「感染少数地域」として選定した2県(岩手・島根)の介護保険サービス事業所計2160カ所に調査票を送付した(回収率57.4%)。あわせて労働者調査票も3枚同封した(配布6480枚、回収率45.5%)。調査期間は令和2年12月10日から令和3年1月6日までのおよそ1か月。2月に中間報告を公表していた。

新型コロナの影響による離職者の有無について事業所に尋ねたところ、「新型コロナを理由とした離職者がいた」は5.2%に止まり、「離職者はいない」が63.5%と圧倒的に多かった。

ただ、感染者等の発生状況別でみると、職員・利用者が感染した事業所では「離職者がいた」は11.7%と増加し、「離職者はいない」は50.0%となった。また感染疑いが発生した事業所でも「離職者がいた」が7.7%、「離職者はいない」は63.1%となった。他方、感染者や感染疑いがいない事業所では、「離職者がいた」は3.7%、「離職者はいない」は66.1%となった。

労働者に対する調査では、新型コロナにより「新たに出た不満、強まった不満」で最も多かったのが「心理的負担が大きいこと」であった。管理職では67.9%、主任・(サブ)リーダーなど職場のまとめ役では60.1%、一般職・担当職では53.7%に上った。

パンフレットの解説では、「事業所内外での感染症対策を効果的に講じるとともに、その対策と具体的方法を周知・徹底することが重要になる」と指摘。さらにパンフレット巻末には、厚労省による各種の感染対策マニュアルや感染対策動画や、介護労働安定センターで策定している「雇用管理改善のための業務推進マニュアル」などのURLも記載されている。

また新型コロナにより「新たに出た不満、強まった不満」では「感染リスクに対する待遇処置がない(少ない)こと」も挙げられたが、子どもの有無別で違いが出た。

就学前児童がいる労働者では31.8%、小学生の子どもがいる労働者では30.3%と3割を超えた。一方、それ以外の労働者では25.6%と5ポイントほど低かった。

パンフレットの解説では、「職員自身が感染した場合、子どもと接することができなくなり、育児・子育ての代替方法が見つからないという実態を反映した不安だと思われます」と指摘。「子育て中の職員の勤務形態・勤務場所を見直すことも効果的」と事業所に留意を促している。

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