年金時代

年金時代編集部

第7回 宮城県社会保険労務士会

契約延長を好機ととらえ計画的な相談員養成に取り組む

センターの相談員にはベテラン社労士を配置

宮城県内には、仙台市青葉区に「街角の年金相談センター仙台」がある。県庁や市役所・区役所にも程近く、仙台市の行政・商業の中心地に当たる。市営地下鉄の最寄り駅からも歩いて2分という距離だ。
相談ブースは4つ。そのうちの1つを6名の社会保険労務士が担当している。6名のうち4名がローテーションで窓口に座り、あとの2名は交代要員という位置づけだ。
「センターの設立当初から、お客さま目線でひざを交えた年金相談をめざして取り組んできました。労働保険や社会保険の話など、社労士の専門性を生かした相談にも対応しています」
県社労士会のセンター運営部長を務める長瀨里志会長は、運営方針をこう話す。
社労士相談員は、すべて年金マスター研修の修了者で、平成22年のオープン以来、大きな入れ替えもないという。いわば対面相談のベテランぞろいだ。
センター以外でも、県内6ヵ所の年金事務所で40名の社労士が相談にあたっている。そのうち4名はセンターと兼任だ。
「現在は、年金実務者研修を中心に行っています。年金事務所から社労士派遣の要請があった場合は、センターの相談実務経験者を充てるほか、平成27年度からは、全国社労士会連合会の方針もあり、相談ブースに入る場合は連合会の『年金実務者研修』を自習していただき、さらに運営部として『年金実務の確認研修』、OJTとしての『ウィンドマシン操作・相談研修』を計画して補充するなど、研修体制を充実させて、年金事務所に派遣する社労士相談員を養成していくことになっています」
県社労士会の熊谷勝行専務理事は、会としての取り組みをこう説明する。年金事務所で独り立ちできる相談員を増やしていくことが、ひいてはセンターの社労士相談員の拡充につながるとの考えだ。

年金事務所での経験が相談員のすそ野を広げる

「対面相談は、年金の基礎知識があることが大前提ですが、それだけでは務まりません。相手の話を聞きながら、機械を操作し、記録を確認したうえで的確なアドバイスが求められています。しかも、相談者はいい意味で自分中心に物事を考えています。そうしたお客さまに対しカウンセリングマインドをもってお迎えし、相談に来てよかったと思って帰っていただくことがいちばん大事です。また、相談実務では実際の窓口で経験を積まなければなりません。相談ブースに座れる人を増やしていくことで、センターへの補充も可能になるのです」(長瀨会長)
その背景にあるのは、民間の相談施設として、研修過程の人ではなく、経験豊富な熟練した相談員をセンターに配置したいという思いだ。
「連合会が進めているバックヤード方式は、ブースに座る職員や社労士に与える影響が大きいと思います。混雑時の対応や事務処理を任せられることで、相談員は相談に集中できます。日本年金機構との契約が26年度から5年間延長されました。この延長によって、センターの運営もやっと本格化します。先を見据えた計画的な相談員の養成が可能になる体制が整いますし、社労士会としても気を引き締めて取り組んでいく必要があると考えています」
熊谷専務理事は、これからが正念場だと話す。

年金相談はセンターに集中 PRも積極的に展開

社労士会事務局では、「総合労働相談室」(毎週水曜・金曜)と「年金相談センター」(毎週金曜)を設置し、無料相談を実施してきた。だが、年金相談センターは現在休止中の状態だ。
「もちろん年金の相談は受け付けますが、細かい記録を見ながら正確な対応をするため、年金相談はセンターに集中させることにしたのです」(熊谷専務理事)
社労士会では、センターの利用者を増やすためにPR活動も積極的に行っている。管轄の年金事務所と相談し、広報の分担化を図っている。一例では、年金事務所がバス車内のステッカー広告と停留所のアナウンスの際の周知を担当。社労士会が代理店と契約し、地元ラジオ局でのスポット広告や仙台名物・七夕祭りでのうちわの配布、新聞広告を担当するという具合だ。県の中小企業向け支援事業の冊子に、社労士会が取り組む無料相談の内容を掲載。センター自体も、来訪者に持ち帰ってもらい口コミで広げるためのチラシを、新たに作成した。
「社労士はもともと企業と顧問契約を結び、労務管理のプロとして仕事をしてきました。ただそこでは、企業の社長と個別の問題を話し合うだけで、従業員との接点はありませんでした。それが、年金記録問題に端を発し、いまでは『年金といえば社労士』と言われるまでになりました。特に、センターの運営に携わることで、一般の人にも社労士の存在が身近になったと思います。その意味でも、年金相談のすそ野を広げていきたいですね」
長瀨会長は感慨深げに語る。

ここから先はログインしてご覧ください。

年金時代編集部
年金時代編集部は、将来にわたって、年金制度が経済的なリスクに直面した人たちの生活を支えていくことができるよう、年金の正確な情報提供を通じて、その持続可能性の向上に貢献していきます。  
年金時代