年金時代

第17回 香川県社会保険労務士会

オフィスを拠点に年間130回以上の出張相談を実施

出張相談もすべてウィンドウマシンを使用

香川県では、平成23年9月に高松市に「街角の年金相談センター高松オフィス」が設置された。JR高松駅を含め、最寄り駅からは徒歩10~15分の距離にある。そのため、近隣の市営駐車場と契約し、利用者の利便性を図っている。
オフィス長と相談員、事務職員の計3名体制で運営しており、2ブースでの相談には21名の社会保険労務士が交代であたっている。オフィス長も含めすべて社労士で対応している。
県内3ヵ所の年金事務所でも、合計11ブースで28名の社労士が相談に応じている。年金事務所主催の出張相談にも、2~4名の社労士が出向く。オフィスも年金事務所も、相談員はすべて年金マスター研修の修了者だ。
「高松オフィスは、出張相談の拠点としての役割も担っており、県会としても力を入れて取り組んでいます」
香川県社会保険労務士会でオフィス運営部長を務める松下麻理子副会長は、こう説明する。
平成27年度の出張相談の日程表を見ると、出張先は10市町、月の回数は延べ16ヵ所に及ぶ。第2土曜も含め、平日のうち毎週3~4日間は出張相談を行っていることになる。主にオフィス長が担当しており、年間では130~140回を数える。
「場所は、市庁舎や公民館、大型ショッピングセンターなどを借りています。また、小豆島や直島、豊島、伊吹島などの島しょ部にも出向きます。島から年金事務所までの交通手段が不便なところもあり、多くの相談者から大変喜ばれます」
笠井和久事務局長は、出張相談の意義をこう表現する。
さらに、5人以上の相談希望者がいる事業所から要請があれば出向く。
「事業所の場合、年金にかぎらず雇用保険や労災関係の話も聞きたいケースがあります。社労士が対応することで、いい意味で年金事務所との差別化を図ることができます」(松下副会長)
大きな特徴は、年金事務所の協力を得て、すべての出張相談にウィンドウマシンを持ち込むことだ。
「ですから、年金額の試算も可能ですし、年金請求書の受け付けもします。各種再交付書の受け付け等を除き、年金事務所と同じサービスを提供しています。また、大型ショッピングセンターではブースの設営なども自分で行います。そのため、レンタカーを借りて、マシンや荷物一式を積んで出かけることになります」(松下副会長)

マスター研修以前から独自の相談員養成に取り組む

香川会では、社労士会がセンター運営を受託する以前の平成17年から、全国に先駆け、年金研修を独自に計画・実施してきた。当時から、1日3時間の16回コース(48時間・4ヵ月コース)というカリキュラムで実施している。その後、全国社会保険労務士会連合会が、社労士相談員養成のための年金マスター研修をスタートさせた。
「県会の研修の前に、マスター研修のeラーニングを受けてもらうようにしました。その修了証を県会に提出したうえで、集合研修を受け一定の点数を取った方に会長名の修了証を発行します。この時点で年金相談業務に就けることになります」(松下副会長)
だが、オフィス等での相談に就けるわけではない。その後、オフィスか年金事務所でウィンドウマシンを使った一定期間の実習を受け、会長か松下副会長の面接を経て、年金マスター研修の修了者として連合会に申請されるのだ。
さらに、オフィスや年金事務所等で相談にあたる社労士に対しては研修を実施している。オフィスの相談員には毎月の研修に加え、年1回能力確認テストを実施。また、年金事務所での相談員には、社労士会主催のスキルアップ研修を3ヵ月ごとに実施し、レベルの維持・向上に努めている。
「対面相談は相手とのコミュニケーションが大切です。ロールプレイングを中心としたマナー研修や、内容を的確に把握し相談時間の短縮につなげるため、事例を多く取り入れた研修も実施しています」(松下副会長)

社会貢献活動にも積極的に取り組む

社労士会では、社会貢献活動として各種出張相談等にも積極的に取り組んでいる。
まず、四国少年院での就労支援講座を毎月実施するほか、香川県立高等技術学校丸亀校での社会保険制度実務講習会、香川大学医学部附属病院での肝炎患者の就労支援事業、高校での出前授業などを実施している。
「36名の社労士が地域型の年金委員に委嘱されています。学校や事業所、病院などからの要請があれば、年金制度等の周知に努めています」(笠井事務局長)
また、社労士会としてゆうちょ銀行の四国エリア本部と契約し、香川県内でのお客さま向けの年金相談会やセミナー、職員向けのセミナーなどに相談員や講師を派遣。週2日は、事務局内でゆうちょ銀行専用の電話相談にも応じている。
「制度の周知や相談から事務手続の代行まで、トータルでサポートしています。ただ、オフィス等での相談員を含め、年金に強い社労士を養成していくことは、常に課題になっています」
松下副会長はこう結んだ。

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