年金時代

国民会議報告書と年金部会【2013年11月号「報告」掲載】

平成26年の財政検証へ向けた議論がスタートしたことを取り上げた記事。まずは財政検証の意義の確認や社会保障制度改革国民会議が示した課題などを整理するところから始めたことがわかる。

 次期財政検証を見据え残された課題の議論を開始

社会保障審議会年金部会(部会長=神野直彦・東京大学名誉教授)は10月7日、次期財政検証を見据えて今後の議論のテーマを確認した。月1回の頻度で部会を開き、財政検証の意義や国民会議で示された課題を整理する。来年には財政検証結果を踏まえ議論を進める方針だ。

年金の給付や負担の伸びは医療・介護と異なり抑制

厚生労働省は年金部会に、社会保障制度改革国民会議における年金の議論について説明した。

国民会議は報告書で、昨年成立した国民年金改正法により基礎年金国庫負担2分の1の財源に消費税収を充てることや、特例水準を解消しマクロ経済スライドを機能させる前提条件が整備されたことで、平成16年改正で導入した財政フレームが完成したことを評価。基本的には年金財政の長期的な持続可能性は確保されていくしくみとなっていると指摘した。

こうした議論の背景には、16年改正によって年金の給付や負担の伸びが、対GDP比で一定の水準にとどまることがある。

この日、厚労省は年金部会に、国民経済に対する年金の給付と負担の割合に関する推計を示した。GDPに対する負担の割合は、平成24年から37年まではおおむね9.5%程度で推移。GDPに対する給付費の割合は、24年は11.2%だが、37年には9.9%とやや低下する。16年改正により保険料の上限が法律で固定されていることや、マクロ経済スライドが機能して、給付額の所得代替率が低下していくためだ。また、給付費の伸びを医療・介護と比べると、24年を100とした場合、37年に介護は235.7%、医療は153.8%まで伸びる見通しだが、年金は112.3%にとどまる。

また、国民会議は、残された課題のマクロ経済スライドのあり方や支給開始年齢の検討などは、長期的な持続可能性をより強固にすることや、セーフティネット機能の強化に向け検討すべき課題と位置づけ(図表参照)、次期財政検証を課題の検討に資する作業とし、その結果を踏まえ制度改正につなげるよう求めている。

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