年金時代

平成26年財政検証に見る年金財政の見通し・後編【2014年7月号「特集」掲載】

3つのオプション試算

●オプション試算Ⅰ

マクロ経済スライドの見直しは経済低迷下での効果を証明

1つ目のオプションは、前述のように、30年度以降、物価や賃金が4年周期でプラスマイナス1.2%の幅で変動する経済前提とし、物価や賃金の伸びが低い場合でも、調整率が年金額の改定率にフルに反映されるしくみとした。

試算の結果は図表5の③だ。いずれのケースでも所得代替率を引き上げる効果が見られたが、特に労働参加が進まず、経済も低成長のケースでの効果が顕著に表れた。

たとえばケースGでは、同じ経済前提で現行のマクロ経済スライドのしくみで試算した場合(図表5の②)と比べ、所得代替率は5%引き上げられるとともに、基礎年金部分の給付水準調整の終了年度は22年短縮されている。また、ケースHでは、機械的に給付水準調整を続けると国民年金の積立金がなくなるとされていたが、調整率をフルに反映させると、所得代替率は66年度に41.9%に達するものの、これでおおむね100年間の財政のバランスが図られるとの結果が示された。

年金時代