年金時代

平成26年財政検証に見る年金財政の見通し・後編【2014年7月号「特集」掲載】

3つのオプション試算

●オプション試算Ⅲ

拠出期間の延長や繰り下げ受給で高い給付水準を確保

現在、老齢基礎年金の計算に反映される保険料納付期間は20歳から60歳までの40 年が上限だ。3つ目のオプションは、これを65歳までの45年に延長し納付期間に応じて基礎年金が増額するしくみにするとともに、65歳以上の在職老齢年金を廃止した場合とした。試算では納付年数の上限を30年度から3年ごとに1年延長している。

試算の結果が図表7の②だ。60歳以降も働いて保険料を45年納付した場合、60歳まで40年納付した場合と比べ、マクロ経済スライドによる給付水準調整が行われるものの年金額は60歳以降に納めた保険料分が増えるため、所得代替率はどのケースでも約6%引き上がる効果が示された。

また、今後は65歳以降も引き続き就労する人も増加すると見込まれている。そこで、65歳以降も厚生年金の被保険者となり、67歳から繰り下げ受給した場合に、所得代替率がどれくらい上昇するかも示されている。(図表7の③参照)

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こうした財政検証結果から見えてきたのは、経済が成長し、女性や高齢者なども意欲をもって働ける社会を実現していくことが、年金財政にとっても重要な意味を持つということだ。オプション試算からは経済が低迷したとしても、さまざまな制度の手直しによって一定の給付水準を確保していくことが可能になることがわかった。

年金部会では今後、プログラム法で要請されている検討事項について議論が進められていくことになっており、そのゆくえに注目したい。

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