年金時代

年金部会で検討課題を整理【2014年10月号「報告」掲載】

 社会保障審議会年金部会による平成26年財政検証の評価や制度改正に向け今後の検討課題が整理されたことを報じた記事。このとき、「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)のガバナンス体制についての検討も加えられた。

経済社会の発展や持続可能性の強化が視点

社会保障審議会年金部会(部会長=神野直彦・東京大学名誉教授)は8月20日、平成26年財政検証結果を総括し、今後の検討課題を整理した。また、国民年金や厚生年金の積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)のガバナンス体制の検討も加えられた。同部会は9月以降、月2回程度開催して議論を進め、年内を目途に整理する予定だ。

公的年金の課題

3つのオプションは持続可能性を高めると評価

6月3日公表の平成26年財政検証結果では、8ケースの幅広い経済前提の下での年金財政の姿が示された(2014年7月号特集8月号特集参照)。

8月20日の年金部会で厚労省は、「年金制度にとって何が重要なファクターなのか。持続可能性や年金水準の確保のためにどのような対応があり得るのかなど、さまざまな議論のベースを提示した。その結果から見えてきたことが2つある」と述べ、財政検証結果とオプション試算結果を次のように総括した。

1つ目は、経済再生と労働参加が進めば現在の年金制度の下でも、将来的に所得代替率50%を確保することができたとしたことだ。厚労省は、「高齢者が安心して働ける環境整備を進め労働参加の促進を実現することが経済成長にもつながり、年金制度の持続可能性を高める意味でも、給付水準の確保を図る意味でも重要だ」と指摘した。

2つ目は、基礎年金のマクロ経済スライドによる給付水準の調整期間が30年近くかかり所得代替率が大きく低下することや、低成長の前提では、年金財政の均衡を図るためには所得代替率が50%を下回ることになるといった課題も見えてきた点だ。

今回は制度改正を仮定したオプション試算も行っている。①マクロ経済スライドの見直し②さらなる適用拡大③保険料拠出期間と受給開始年齢の選択制――で、いずれも所得代替率が引き上がる結果などが示された。厚労省は、「3つのオプションいずれも制度の持続可能性を高め、給付水準を確保するうえでプラスの効果をもつことが確認できた」と評価。こうした観点を踏まえ、残されている検討課題を図表のように整理した。

年金時代