年金時代

年金部会が公的年金の課題を議論・後編【2014年12月号「特集」掲載】

年金額の改定

デフレ下での年金額も賃金に連動する改定案を提示

年金額は平成16年改正により、新規裁定者(67歳まで)は名目手取賃金変動率で、既裁定者(68歳以降)は物価上昇率で改定することになった。物価と賃金がともに上昇し、賃金の上昇率が物価の上昇率を上回ることが前提だが、その逆となる経済状況も見込んで、図表3のように改定する例外規定がある。新規裁定と既裁定者、保険料を負担する現役世代と受給者世代との公平性を確保するためだ。

16年の財政再計算時のモデル世帯の所得代替率は59.3%(基礎33.6%、比例25.7%)だったが、今回の財政検証では62.7%(基礎36.8%、比例25.9%)*2に上昇した。これまでほぼすべての年度で例外規定が適用されたため、現役世代の賃金が減少した一方で、年金はその分低下してこなかったためだ。基礎年金部分のマクロ経済スライドによる調整期間の長期化は所得代替率の上昇によるが、その要因は年金額の改定ルールにあった。

そこで厚労省は、年金額を賃金に連動して改定させるしくみを徹底する考えを示した。

年金部会では、名目下限の撤廃や改定ルールの見直しに賛同する意見が相次ぐなか、山口委員は「それだけでは不十分。基礎年金部分に対し、調整期間短縮のため制度間で財政支援していく工夫ができないか。改定ルールは調整期間終了後も続くため、調整期間と切り離して考える必要がある」と指摘。花井委員は、「基礎年金はマクロ経済スライドの対象から外すべき」との考えを示した。

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