年金時代

年金部会が公的年金の課題を議論・後編【2014年12月号「特集」掲載】

高所得者の年金給付と世代内の再分配機能の強化

再分配機能の強化の視点は高齢期の所得か現役期の所得か

こうした経緯を踏まえ厚労省は、この問題について、「年金制度における世代内の再分配機能をどう強化していくかという問題にとらえ直したうえで、考えていくことが必要」と提起。論点の一つに、高齢期の高所得者に関し、年金を含む所得全体について、税制や社会保障で適正な負担を求めることを挙げた。

また、年金制度内における再分配機能の強化に向けて、高所得の被保険者の給付と負担の設計のあり方も論点に据えた。

国民年金は定額の保険料を負担し定額の基礎年金を受ける構造だ。再分配機能は国庫負担の部分だけとなるため、世代内の再分配は限定的となる。他方、厚生年金は負担した保険料に比例する報酬比例部分と、定額の基礎年金部分で構成されるため、世代内で再分配機能が働く。このため、厚生年金の適用拡大は世代内の所得再分配効果を高める効果があることになる。厚労省は、「高齢期に高所得であることと、現役期に高所得であることをどう考えるかだ。年金制度の中で完結するには、現役期に高所得、低所得だったことについて負担と給付をどう設計するかという問題になる。一方、高齢期については高所得の人の年金をどう考えるかだ」と整理した。

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