年金時代

公的年金制度改革の方向性を示した議論の整理【2015年3月号「特集Ⅰ」掲載】

年金部会が公的年金制度の改革の方向性を示した議論を整理し、被用者保険の適用拡大や年金額改定ルールの見直しなどの重要性を訴えたことを取り上げた記事。

 公的年金のさらなる適用拡大や名目下限措置の工夫が重要

社会保障審議会年金部会(部会長=神野直彦・東京大学名誉教授)は1月21日、公的年金制度の改革の方向性を示した議論の整理をまとめた。働き方に影響を与えない制度や将来世代の給付水準の確保に向け、被用者保険の適用拡大や年金額改定ルールの見直しなどの重要性を訴えた。これを受け厚生労働省は、国会への改正法案提出に向け政府内や与党との調整を進めることにしている。

適用拡大の必要性は明らか 「任意拡大」の意見も示す

年金機能強化法により平成28年10月に短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大が実施される。同法附則では31年9月までに適用範囲を検討し、さらなる措置を講じることになっており、社会保障制度改革のプログラム法でも検討課題としている。

部会は28年10月後もさらに適用拡大を進めていくことについて検討したが、議論の整理には「異論はなかった」と明記。財政検証のオプション試算では、適用拡大が給付水準の確保に効果があることも示されており「被用者保険の適用を進めていく必要性は明らか」と強調した。

また、5つの適用要件の見直しの方向性も示した。たとえば月額8.8万円の賃金要件については、オプション試算で健康保険の標準報酬月額の下限などを考慮して設定した月額5.8万円の水準まで拡大していくべきとの意見を示した。

現時点で適用拡大をさらに進める方策についての議論では、任意で適用拡大できるようにすべきとの意見が出され、議論の整理にも盛り込まれた。

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