年金時代

公的年金制度改革の方向性を示した議論の整理【2015年3月号「特集Ⅰ」掲載】

拠出期間延長は「自然の流れ」 国庫負担の財源確保が課題

高齢期の就労と年金受給のあり方では、65歳まで働くことを標準とした制度設計を議論した。

雇用確保措置により平成37年度までに、希望者は65歳まで働くことができる環境が整う。財政検証では保険料拠出期間を20歳から60歳になるまでの40年から65歳になるまでの45年とし、給付も拠出期間に応じて増える制度改正を仮定したオプション試算が行われ、給付水準の確保につながることが示された。

議論の整理ではこうしたことを踏まえ、65歳までを現役世代ととらえ、就労して保険料を納め負担に応じた年金を受けることは「自然の流れ」と評価した。

ただ、保険料の拠出能力の面では、高齢の女性の就業率は必ずしも高くないとの指摘もある。拠出能力のある人だけが任意で保険料を拠出できるようにすると、世代内の不公平を拡大する可能性があるため「全国民に適用すべきで、負担能力がない場合には免除制度の活用を図ることが必要」との意見もあり、議論の整理にも反映された。

また、拠出期間が拡大し基礎年金も増えると、国庫負担も増えるため財源確保が課題となる。

これについては「何もしなければ年金制度以外の制度における低所得者対策が必要となり、別のかたちで社会的コストを要することになる」との見方がある一方、「年金給付の重点化や効率化がないまま国庫負担の増加につながる制度設計のあり方は慎重に考えるべき」といった意見もある。国庫負担で給付が賄われる免除者が増えてしまう懸念も示されており、議論の整理では、「この問題を考える際には、安定財源をどのように確保するかを併せて検討する必要がある」とした。

 

参考:社会保障審議会年金部会「議論の整理」http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000071912.html
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