年金時代

公的年金制度改革の方向性を示した議論の整理【2015年3月号「特集Ⅰ」掲載】

高所得高齢者の支給停止は税制を含め幅広い議論が必要

部会では、「年金制度内における世代内の再分配機能の強化」についても議論した。

その一つが高所得高齢者の年金の一部を支給停止することだ。これについては「保険料に応じた年金額を受けられないことを意味するため高齢期の報酬を調整することは否めず、年金制度のなかで支給停止を行うことはそぐわない」との見方があった一方で、「国庫負担分を減額し、これをマクロ経済スライドの終了時期を早める原資に活用できないか」といった考えも示されていた。

議論の整理では、「年金制度内部の部分最適の追求だけでなく、年金に係る税制、福祉制度などを含めた全体最適の視点から、幅広い議論を行う必要がある」と指摘。その際は公平・公正となることや、高齢者の就労インセンティブを阻害しない観点が必要になるとした。

また、世代内の再分配機能の強化に向けては、被用者保険の適用拡大が「効果が見込めるものと評価できる」と判断。厚生年金は負担した保険料に比例する報酬比例部分と定額の基礎年金で構成されるため、基礎年金のみの国民年金より再分配機能が働く構造になっているからだ。

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