年金時代

公的年金制度改革の方向性を示した議論の整理【2015年3月号「特集Ⅰ」掲載】

働き方に中立的な制度に向けて「適用拡大」が重要な方策

政府は、平成26年6月に閣議決定した日本再興戦略改訂2014で「働き方に中立的な税制・社会保障制度への見直し」を掲げ、年金制度では130万円の壁の問題や第3号被保険者制度について検討することとした。

短時間で働く第3号被保険者は、収入が130万円を超えると第1号もしくは第2号となり保険料の負担が生じるため、就業調整をしているとの指摘がある。これが「130万円の壁」と呼ばれる問題で、部会は「被用者本人の保険料負担回避行動としてのみで説明することは適切でない」と反論した。

厚労省の調査によれば、第1号、3号の短時間労働者は100万円前後で就労する人が多く、130万円とは別の壁があるとも指摘されている。また、第2号が負担する厚生年金保険料は事業主も折半負担するため、短時間労働者を使用する理由に社会保険の負担を挙げる事業主も少なくない。部会は「被用者保険の適用の壁、事業主の社会保険料負担回避行動が合わさって作用している」と分析。働き方に中立的な制度としていくためには、「被用者保険の適用拡大が重要であることが確認できる」と結論づけた。

他方、第3号被保険者制度は将来的に縮小していく方向性は共有したものの、実態を踏まえて進めていくことが必要とした。第3号には短時間労働者だけでなく出産・育児のために離職した人や、配偶者が高所得でみずから働く必要性が高くない人などが混在しているためだ。そこでまずは適用拡大を進め、最後に残る純粋な無就業の専業主婦(夫)の第3号について対応する道筋を示した。

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