年金時代

年金制度改革の方向性【2016年1月号「新春特集Ⅰ」掲載】

年金額改定のあり方

毎年度の年金額改定で賃金への連動を徹底へ

年金額は、新規裁定者(67歳まで)は名目手取賃金変動率で、既裁定者(68歳以降)は物価上昇率で改定する。平成16年改正で導入された改定ルールだが、これは物価と賃金がともに上昇し、賃金の伸びが物価の伸びを上回ることが前提だ。また、給付を賄う保険料は賃金に連動するため、物価と賃金がともにプラスだが賃金の伸びが低い場合は、既裁定者も賃金で改定することになっている。だが、たとえば物価と賃金がマイナスとなり、賃金のマイナス幅が大きい場合は新裁、既裁ともに物価で改定するなどの例外規定がある。

26年財政検証では、基礎年金部分のマクロ経済スライドによる調整期間の長期化が明らかになった。これまでほぼすべての年度で例外規定が適用されたため、現役世代の賃金は減少したが、年金額はその分低下してこなかったことにより足下の所得代替率が上昇したことが要因だ。議論の整理では「賃金に連動して改定する考え方を徹底することが必要」としていた。

そこで厚労省は、賃金の伸びが物価の伸びを下回る場合、既裁定者も新規裁定者と同様に賃金に合わせて改定するしくみとする案を示した。(図表3参照)

年金時代