年金時代

小野田 理恵子(おのだりえこ)/小野田社労士・FPオフィス代表

第11回 自営業者の老後資金準備

「人生100年時代」を安心して暮らすヒントを、社労士でありFPでもある小野田理恵子氏が紹介します。小野田氏がふだん、中小企業等でのセカンドライフセミナーで講演している内容をWeb年金時代向けに再構成。連載第11回は、筆者自身の例も出しながら、自営業者の老後資金準備に役立つ情報を教えていただきます。ご自身のライフプランの参考のほか、社労士の方には年金相談に役立つ情報提供になればと考えています。

自営業者は老後資金が心配!?

今回は、中小企業でのセミナーや一般市民向けの講座の内容ではなく、過去何回か、社労士の方を対象としたセミナーで取り上げた内容です。

自営業者の世帯では、事業主は当然に国民年金第1号被保険者ですが、配偶者も同じく第1号というケースが多いかと思います。その場合、第3回「生涯収支:使えるお金の考え方」にも書いたとおり、老後資金についてはサラリーマン世帯よりかなり多く自助努力で備える必要があります。ここで、実は我が家は夫婦ともに個人事業主の世帯です。二人とも、若いときに少しばかり厚生年金に加入していた期間がありますが、受け取れる厚生年金は二人合わせても月額2万円に届かず、この先ともに65歳以上になり二人分の国民年金約13万円を加えても月額15万円弱…これではいくら定年がないとはいえ、まだまだ先が長い(かも知れない)人生を考えると、ちょっと、いや、かなり心許ない状況です。

でもそうそう悲観することはありません。実は、自営業者向けに老後資金を準備するための公的制度がいくつかあり、少しでも早くから備えることにより一定の安心感を得ることができますので、今回はそれをご紹介したいと思います。

社労士の皆様は、関与先の自営業者から、「自営なので老後資金が心配なんだけど…」とか、起業後しばらくして事業が安定してくると、「何か節税する方法はありませんか?」などと相談されることがあるのではないでしょうか。そんなときは、所得控除の対象となり、かつ老後資金の準備もできる制度をご案内することになりますが、その際の参考となる比較表を<図表1>に載せました。実はこの表は、ある社労士仲間からの「自営業者の上乗せ制度がコンパクトに整理された情報があるとありがたいのだけど…」とのリクエストに応え、持ち歩けて説明もしやすいA4サイズ1枚にポイントをまとめる意図で作成したものです。

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小野田 理恵子(おのだりえこ)/小野田社労士・FPオフィス代表
会計事務所で事務をとる傍ら、2003年に社労士資格を取得。開業社労士としての実務に携わるとともに、年金事務所で5年ほど相談員を経験。またFPとして、大手企業、労働組合、公的機関、各種団体等で、セカンドライフセミナーを中心としてさまざまなテーマでの講演を行っている。特定社会保険労務士、CFP®、高度年金・将来設計コンサルタント。
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