年金時代

年金時代編集部

第32回 新潟県社会保険労務士会

積極的に研修を実施し相談員の確保と養成に取り組む

社労士会事務局と街角センターが同じビルに

新潟県内には、新潟市に「街角の年金相談センター新潟」がある。JR新潟駅から徒歩5分ほどのビルの6階だ。同じビルの1階には、新潟県社会保険労務士会の事務局が入っている。もともと年金相談センターは駅の反対側にあった。
「歩いて10分以上かかりましたし、駐車場も幹線道路を挟んだ向かい側だったので不便でした。公共交通機関で利用しやすい場所に移転することを、日本年金機構と相談しました。社労士会の事務局の移転が先だったのですが、ちょうど6階が空いていました。社労士会では総合労働相談所を運営していますが、年金相談もできればワンストップサービスが実現できます。そこで、センターも同じビルに移転することにしたのです」
センター運営の責任者である新潟県社労士会の水戸伸朗副会長が、移転の経緯をこう説明する。
「相談に来るお客様は安心を求めています。相談を受ける側も同じ目線で対応しなければなりません。親切・丁寧をモットーに運営にあたっています」
ワンストップサービスの構想を実現させた坂西(ばんざい)輝男会長は、センターの運営方針をこう話す。
センターには常勤の職員3名のほか、13名の社労士が交代で相談にあたる。相談ブースは3つだが、1名の職員が半日勤務のため、3ブースとも社労士が座る場合もある。
また、新潟県内には8つの年金事務所があり、そのうち5ヵ所の事務所で40名の社労士が委託契約をしている。センターとの兼任は11名だ。
各年金事務所では、出張相談所を開設しており、平成28年度は県内9市2町で実施。そこにも1~2名の社労士相談員が出向く。事前に相談内容を受け付け、年金記録をプリントアウトして持参する。毎月1回と2回のところがあるため、毎週のように社労士が対応していることになる。

年金事務所の相談員には会独自の研修を開催

センターでは毎月、内部研修を実施している。講師は職員とベテラン社労士が務める。一方、年金事務所の相談員向けには、3ヵ月ごとのスキルアップ研修がある。加えて、平成27年度までは社労士会が独自で年8回の研修を実施していた。
「スキルアップ研修がない月に開催するため、年金事務所の相談員も毎月研修を受けることになります。28年度からは年金機構の職員研修に社労士も参加できるようになったため、県独自の研修は行っていません。この研修の講師はセンター職員が務めていました。業務に支障がないよう土日に開催していたため、その意味では職員の負担が軽減されました」(水戸副会長)
社労士会では、年金マスター研修が終了したあとも独自に相談実務者研修に取り組んできた。毎年度、希望者を募り、全国社会保険労務士会連合会のカリキュラムに沿って実施している。
「ただ、ウィンドウマシンの操作がデモシステムのため、一定のパターンしか習得できません。センターでの実地研修のほか、年金事務所にお願いしOJTに参加させてもらって、実践研修を行ってきました」(水戸副会長)
それでも途中で断念する人もいるため、最終的に相談員として残れるのは3割程度だという。

相談員の心身のケアも事務局の大事な仕事

社労士会では、5~6年前から高校を中心に出前授業にも取り組んでいる。社労士会の研修委員会が担当し、これまでみずから各学校にチラシを送って希望を募ってきた。だが、平成27年度は3件にとどまった。
「29年度は県知事に要望書を出し、県教育委員会にお願いしようと考えています」(坂西会長)
水戸副会長も次のように話す。
「学生納付特例もありますし、学校教育は生徒だけでなく、親御さんたちに年金制度の周知を図ることが大事だと考えています。教員を含め、広げていきたいですね。年金機構や労働局とのタイアップも考えていくつもりです」
他の士業との連携も強化している。社労士・弁護士・司法書士・行政書士など11士業が参加する「士業連絡協議会」を開催。3年前からは無料の合同相談会を実施している。平成28年12月22日に大規模火災が発生した糸魚川市でも、今年2月11日に無料相談会を開催した。
社会保険労務士制度は平成30年度に創設50周年を迎える。
「資格士業として、外向きの姿勢で国民の利便性向上に取り組んでいかなければなりません。社会貢献活動を充実させることで、国民への周知とともに社労士の職域を拡大していければと考えています」(水戸副会長)
坂西会長も最後にこう話す。
「11士業のうち、心の問題にまで踏み込めるのは社労士と弁護士だけです。年金相談事業は、相談者の人生にもかかわる責任の重い仕事です。相談員の養成だけでなく、相談員に対する心と身体のケアも運営本部の大事な課題だと思っています」

「相談員の心身のケアが大事」と話す坂西会長(右)と水戸副会長。

街角の年金相談センターのチラシ。裏面には総合労働相談所の案内が掲載してある。

今年2月11日には大規模火災が発生した糸魚川市で11士業の無料相談会を開催した。

社労士会の概要

事務局所在地 新潟県新潟市中央区東大通2-3-26 プレイス新潟1階
会員数 526名(開業384名・勤務等142名)
支部数 5支部
年金事務所の業務委託社労士 40名
センター数 1ヵ所
センターでの社労士相談員 13名

年金時代編集部
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