年金時代

三宅 明彦(みやけ あきひこ)/社会保険労務士

10年短縮年金の請求ポイント~カラ期間の種類と証明【後編】(三宅 明彦さん)

カラ期間の種類・証明書類・交付先について

合算対象期間(カラ期間)については、国年法附則第7条、国年法60年改正法附則第8条第4項、5項等に規定されていますが、主なものを以下に記しますので、該当するかどうかの確認をしてください。また、証明書類と交付先についても記します。

なお、この他にも合算対象期間(カラ期間)にはさまざまなものがありますので、詳しくは年金事務所等にお問い合わせください。

さらに、旧法適用者(原則、大正15年4月1日以前生まれの方)については、カラ期間とは言わずに「通算対象期間」と言い、1年未満の期間は通算対象になりませんが、同様にさまざまな通算対象期間があります。

(1)国民年金に任意加入できる期間のうち被保険者にならなかった期間
(昭和36年4月から昭和61年3月までの20歳以上60歳未満の期間)

① 被用者年金制度加入者の配偶者であった期間(いわゆるサラリーマンの妻であった期間)
② 被用者年金制度の老齢給付受給権者・受給資格満了者及びその配偶者
③ 被用者年金制度の障害給付受給権者及びその配偶者
④ 被用者年金制度の遺族給付受給権者

証明する書類 交付先
配偶者の年金手帳、年金証書等 紛失した場合は、年金事務所
婚姻期間がわかる戸籍謄本 本籍地または本籍地のあった市区町村

⑤ 学生(夜間制・通信制を除く)
    (昭和36年4月から平成3年3月までの20歳以上60歳未満の期間)

証明する書類 交付先
在籍期間証明書 在籍した大学等

(2)日本国民であって日本国内に住所を有しなかった期間(海外在住期間)のうち
   昭和364月以後の期間で20歳以上60歳未満の期間

証明する書類 交付先
戸籍の附票 本籍地の市区町村
居住証明書 滞在国の領事館
在留証明書 法務省
パスポート 都道府県
出帰国証明等 出入国管理局

(3)脱退手当金の計算の基礎となった期間のうち昭和364月以後の期間
(ただし、昭和61年4月以降に納付または免除期間があること)

証明する書類
日本年金機構に記録があるので、特になし

(4)退職一時金の計算の基礎となった期間のうち昭和364月以後の期間

(5)共済組合の組合員であった期間のうち昭和363月以前の期間
  (昭和364月以後に引き続いている期間で1年以上ある場合)

証明する書類 交付先
年金加入期間確認通知書 加入していた共済組合

(6)国会議員であった期間(60歳未満)のうち昭和364月から昭和553月までの期間
   及び昭和613月までの期間

証明する書類
国会議員であったことがわかる公的な書類

(7)地方議員であった期間(60歳未満)のうち昭和3712月から昭和613月までの期間

証明する書類
地方議員であったことがわかる公的な書類(議会の証明書等)

(8)昭和36年5月以後、20歳以上65歳未満である間に日本国籍を取得した(永住許可を含む)
   次の期間(20歳以上60歳未満の期間)

①日本国内に住所を有していた期間のうち昭和36年4月から昭和56年12月までの期間
②日本国内に住所を有しなかった期間のうち昭和36年4月から日本国籍を取得した日(永住許可を含む)の前日までの期間

証明する書類 交付先
戸籍謄本 本籍地の市区町村
外国人登録原票証明書 法務省
在留資格証明書、永住許可書 法務省

(9)国民年金の任意加入を行い、保険料が未納となっている20歳以上60歳未満の期間

(10)学生納付特例期間に保険料を納付しなかった期間

(11)保険料納付猶予期間に保険料を納付しなかった期間

(12)国民年金第3号被保険者の不整合期間である特定期間に保険料を納付しなかった期間

証明する書類
日本年金機構に記録があるので、特になし

 

なお、今後のことですが、改正法施行後の 8月以降に年金受給権が発生する場合は、10年以上の資格期間があればよいわけですが、年金請求書の受付の際に、10年以上の資格期間であるのか、25年以上の資格期間であるのか、また、申立書によるカラ期間の確認をするのかどうかも気になるところです。

最後に、カラ期間を含めても年金受給資格期間の10年を満たさない場合に、満たすための方策を記しますので、参考にしてください。

 

合算対象期間(カラ期間)を含めても資格期間に不足した場合の対応

国民年金の制度名 対象者
任意加入制度 *日本国内に住所がある人で、60歳から65歳になるまでの間
*海外に住所がある人で20歳から65歳になるまでの間(日本国籍を有する人に限る)
特例任意加入制度 *昭和40年4月1日以前生まれの人
*65歳から70歳になるまでの間で、年金の受給資格期間の10年を満たすまでの期間(10年を満たすと「特例任意加入」はできなくなります)
後納制度 *20歳以上65歳未満の人で、5年以内に納め忘れの期間や未加入期間がある
*60歳以上65歳未満の人で、上記の期間のほか任意加入中に納め忘れの期間がある
*65歳以上の人で、老齢年金の受給資格がなく特例任意加入中に納め忘れの期間がある
※注意点
・任意加入・特例任意加入は市区町村での加入申し込みが必要です。なお、保険料納付方法は口座振替が原則です。
・後納は年金事務所での申し込みが必要です。

 

保険料を納めることが難しい場合の対応

国民年金の制度名 対象者
保険料免除制度 所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合は、申請することにより、承認されると保険料の納付が全額または一部免除になります。
保険料納付猶予制度 20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合には、申請することにより、承認されると保険料の納付が猶予されます。

 

 

三宅 明彦(みやけ あきひこ)/社会保険労務士
東京都社会保険労務士会所属。 金融機関等での豊富な年金相談経験をもつ。多数の年金セミナー・年金研修等の講師を務める。現在、東京都社会保険労務士会の年金講座講師。著書多数。『年金マニュアルシート』(社会保険研究所)は約50万部の大ヒット。マニュアルシート・シリーズの最新版『10年短縮年金マニュアルシート』も好評。
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