年金時代

年金時代編集部

第3回 会社の退職金制度を知ってスマートなマネーライフを送ろう

平成29年1月からiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入範囲が拡大して、公的年金に加入していればだれでもDCに加入できるようになりました。この連載では、知っておくとちょっとお得なDCの基本的事項をコラム的にご紹介していきます。

年をとって現役を引退したとき、年金も退職金もなく、今後の生活のすべてを貯蓄だけで賄っていかなければならないとしたら、毎日それは心細いことでしょう。あと何年生きるのかわからないなかで、少しずつ目減りしていく貯蓄残高を見ながら、爪に火をともすような生活をすることになりそうです。まるで、流れ着いた無人島で、いつ来るとも知れない救助を待ちながら、残された食料を少しずつ消費していくような……。そのように考えると、65歳から亡くなるまでずっと受けられる公的年金の存在は本当に心強いものです。

公的年金は心強いが老齢基礎年金だけでは生活できない

公的年金のうち、保険料を納めていればだれでも受けられる老齢基礎年金は、平成29年の満額(40年間保険料を納付した場合)で月額約6万5,000円となります。これが終身受けられるのはうれしいかぎりですが、残念ながらその金額だけでは生活していけないのも事実です。

余裕ある生活には公的年金以外の収入源が必要

平均給料36万円、ボーナス年間3ヵ月分で40年間会社勤めをしたサラリーマンなら、老齢基礎年金にプラスしておおよそ月額約10万円の老齢厚生年金が受けられます。老齢基礎年金と合わせると月額16万5,000円になり、生活していくにあたって現実味のある数字になります。しかしこれだけでは、まだ余裕のある生活はできそうもありません。余裕のある生活をするには、公的年金とは別の収入源を確保しておく必要がありそうです。

年金で受ける退職金、一時金で受ける退職金

公的年金以外の収入源として一般的なのは、企業年金と退職一時金です。なお、企業年金も退職一時金も広義では退職金の一部で、年金で支払われる退職金が企業年金、一時金で支払われるものが退職一時金となります。

企業年金には、DB(確定給付企業年金)とDC(確定拠出年金)があります。どちらかあるいは両方を導入している、または両方とも導入していないなど、会社により異なります。退職金のうち、何割が一時金で何割がDBあるいはDCなのかにより、老後の生活設計にも微妙に影響してきますので、自分の会社の退職金制度を把握しておくことが望まれます。

DBは事前に受給額がある程度把握できる

DBは、会社が掛金を拠出して運用し、積み立てた資産を従業員が老齢になったときに年金(希望すれば一時金も可)として給付するものです。給付額は、加入期間に応じた算定式が設定されており、事前におおよその額を試算することができます。ただ、計算式は複雑なので、加入している企業年金に申し込んで試算してもらうといいでしょう。加入している企業年金のホームページで、簡単なシミュレーションができる場合もあります。

ライフプランに応じて最適な受給方法が変わる

DBの場合、年金の受給期間は、公的年金と異なり有期となっているのが一般的です。また、受給開始年齢を選択できたり、年金に代えて全部または一部を一時金で受けたりできるなど、受け方に柔軟性があるのも特徴です。退職時に住宅ローンの残りを一括返済したいとか、子どもの大学の入学金に充てたいなとどいったニーズがある場合は、一時金で受け取るのも一案です。

DCは運用しだいで受給額が変わる

もう一つの代表的な企業年金は、企業型DC(確定拠出年金)です。企業型DCは、従業員ごとに会社が掛金を拠出し(従業員も拠出できる場合があります)、それを従業員本人が自己責任で運用して積み立て、60歳以降に年金として受ける制度です。受けられる給付額は運用しだいで変動します。おおまかに見積もると、掛金月額1万円を利回り1.0%で10年運用したとすると、元利合計は126.8万円(元金のみだと120万円)、20年運用した場合は元利合計266.9万円(元本のみだと240万円)、40年運用した場合は元利合計592.5万(元本のみだと480万円)になります。

企業型DCは、60歳~70歳の間で希望の時期に受け始めることができ、受給期間も、一般的に5年~20年の間で選択できます。年金に代えて全部あるいは一部を一時金で受けることもできます。

一時金で受けるか年金で受けるか

定年退職後、体が元気な75歳まではリタイア生活を思い切り楽しみたいというのであれば、退職金の一部を一時金で受け取り、お金の流動性を確保しておくという考え方もありますし、貯蓄が心もとないのであれば、長生きリスクに備えて退職金もできる限り年金化しておくという考え方もあります。

老後の収入源をトータルに組み合わせてマネープランを立てよう

自分の勤めている会社の退職金制度について、「よく知らない」という声をよく耳にします。しかし、企業年金や退職一時金の、受給額、受給開始時期、受給期間について把握することは、ライフプランを立てるうえで鍵となります。また、公的年金や退職金以外の老後の収入源となる個人型DCや財形、個人年金、生命保険などと組み合わせて、トータルに老後のマネープランを考えることが望まれます。

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