年金時代

香取 照幸(かとり てるゆき)/駐アゼルバイジャン日本国特命全権大使

第11回 どっちが先進国? アゼルバイジャンのIT事情【中編】「電子政府」

革新的な技術は途上国のほうが完成形を一気に導入できる

ITは文字通り日進月歩で進化しています。

私は門外漢なので他の国々で電子政府がどの程度実現されているのか、十分な情報があるわけではありませんが、例えば隣国トルコでも、既に全国民にID番号が振られていて、ASANのようなワンストップ・ペーパーレスの行政サービスが受けられる、という話を聞きました。

確かに革新的な技術というのは、後から追いついていく途上国のほうが完成形を一気に導入できるのでかえって普及が早い、ということがあります。BS放送や携帯電話・スマホなんかもその例です。

なので、むしろ途上国のほうが先進地域、なんてことが普通にあるんじゃないでしょうか。

中国で開発されたWeChat(微信)なんて、LINEやFacebookのような文字・音声・写真・動画・グループチャットなどのコミュニケーション/SNS機能と決済機能(自分の銀行口座情報を登録しておけば対応している店舗での商品やサービスの支払い、他のユーザーへの送金等全部アプリ経由でできちゃう機能)を併せ持っていて、しかも無料のメッセンジャーアプリです。何と20か国語に対応していて全世界10億人以上が登録しているそうです。

なんかこういうの、探せばいくらでもありそうで、先進国(欧州やアメリカ)はもちろん、例えば日本の周りのアジアの国々はどんな感じになってるのか、とても知りたくなりました。

「大使自ら調査出張するぞ!!」 でも行かせてくれるかな(笑)。

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香取 照幸(かとり てるゆき)/駐アゼルバイジャン日本国特命全権大使
東京都出身。1980年東京大学法学部卒業後、厚生省入省。在フランスOECD事務局研究員、年金局年金課年金制度調整専門官、埼玉県生活福祉部老人福祉課長、厚生省大臣官房政策課企画官(高齢者介護対策本部事務局次長)、厚生労働省政策統括官(社会保障担当)・内閣官房内閣審議官(社会保障・税一体改革担当)併任、年金局長、雇用均等・児童家庭局長などを経て2016年6月辞職。2017年3月より現職。著書に『教養としての社会保障』(東洋経済新報社)
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