年金時代

年金時代編集部

第39回 和歌山県社会保険労務士会

 広域な県の実態に即し出張相談の充実を図る

オフィスの社労士相談員はすべて年金事務所にも出向く

和歌山県内では、平成27年12月7日に「街角の年金相談センター和歌山オフィス」がオープンした。JR和歌山駅から徒歩4分ほどのビルの1階にある。通りに面した窓には大きくオフィス名が書かれている。

「対面相談を通じ、年金に関するすべての相談に対応していますので、県民の皆さまに気軽に利用してもらえるよう権藤オフィス長、社労士の相談員が一丸となって取り組んでいます」

和歌山県社会保険労務士会の清水義隆会長はこう話す。

オフィスでは、オフィス長が常駐し、2ブースでの相談には15名の社労士が交代で応じている。オープン当初は12名だったが、その後新たに3名が加わった。

県内には和歌山市に2ヵ所(東西)、田辺市に1ヵ所の年金事務所があり、新宮市に田辺年金事務所の分室が設置されている。オフィスに出向く15名の社労士は新宮を除く年金事務所の相談員も兼任し、ほかに田辺事務所で2名、新宮分室で3名の社労士が年金事務所の業務委託契約をしている。

オフィスと年金事務所を含めた社労士相談員のローテーションは、年金相談事業担当の松嶋治子副会長が担当している。

「毎月15日にそれぞれから希望を聞き、翌月分の態勢を決めています。特別な事情で行けなくなるような場合は、お互いに協力しています」(松嶋副会長)

 

相談件数の増加をめざしオフィスのPRに注力

社労士会では、オープン当初からオフィスのPRに力を入れてきた。オープン時には和歌山県が発行する「県民の友」に広告を掲載。その後も定期的に地方紙に掲載している。オープン後1年間は市内を走るバスの車体広告も実施した。

現在は、市町村や商工会議所、労働局、ハローワークなどに置くチラシのほか、JR和歌山駅の中央コンコースでタッチパネル式のデジタルサーネージという広告媒体も活用している。「和歌山オフィス」の画面をタッチすると、相談内容や相談に必要なもの、無料・駅から4分・社労士会が運営などメリットの3画面が、次々と展開するのだ。

「少しでも多くの方にご利用いただきたいと考えています。年金月間での無料相談会はもちろんですが、社労士会が開催する市民向けのセミナーなどでも、必ずオフィスを案内します。今年11月には、田辺市の農水産まつりに参加します。年金事務所と協力し、年金相談も受け付けます」(清水会長)

オフィスでは今年9月から予約制を取り入れた。

「ただ、1つのブースが予約で埋まってしまいますと、フリーで来られたお客さまに待ってもらうことになります。痛しかゆしの面があってなかなか難しいですね」(松嶋副会長)

社労士会としてさらに力を入れているのが、オフィスの出張相談だ。

「和歌山県は南北に広く、山間部も多いため、交通の便は決していいとは言えません。高齢化率も30%を超えていますし、オフィスや年金事務所に来ていただくのが難しい人たちのお役に立てるのが、出張相談だと位置づけています」

と、清水会長は力を込める。

現在、湯浅町と有田市で2ヵ月に1回(ともに和歌山西年金事務所管轄)、橋本市で毎月第2・4木曜日(和歌山東年金事務所管轄)、御坊市で2ヵ月に1回(田辺年金事務所管轄)の4ヵ所で実施。すべて社労士相談員2名が、自分たちでオフィスからウィンドウマシンを持ち込む。橋本市は年金事務所と協同開催で、3ブースのうち2ブースを社労士相談員で対応している。

予約は年金事務所で受け付け、実施市町の広報紙でも案内をしている。

「年金事務所や場所を提供してくれる市町村など公的機関のご協力のもと年金事務所と連携して、出張相談は徐々に広げていきたいと考えています」(清水会長)

左から清水会長、松嶋副会長、和歌山県社会保険労務士協同組合の寺西代表理事。

 

がん患者就労支援や働き方改革にも積極的に対応

社労士会では5~6年ほど前から、県教育委員会や学校に依頼し、出前講座にも取り組んでいる。商業高校や大学を中心に、平成28年度は3ヵ所で実施した。会としては事業委員会が担当。講師も委員会の委員が務めている。

「和歌山大学は継続して実施しています。テキストも会独自で作成し、全国社会保険労務士会連合会のテキストとあわせて使っています。教育委員会から学校に連絡してもらっていますが、思うように増えていかないのが実情です。今後も継続していく事業なので、対応を考えていくつもりです」

と、清水会長は今後の展開を模索する。

一方、これから本格的に取り組んでいこうとしているのが、がん患者の就労支援と働き方改革への対応だ。

がん患者への就労支援は、県の健康推進課に協力し、今年11月23日に関係団体が集まって受診促進の啓発と、治療と就業の両立支援活動に参加する。まず事業のPRが中心で、「こうした活動を通じて、拠点病院や支援センターでの相談など具体的な取り組みにつなげていきたい」と、松嶋副会長は話す。

働き方改革については、全国に先駆け今年8月3日に、和歌山労働局と社労士会が改革推進の共同宣言に調印した。すでに事務局内に社労士協同組合の協力のもと、働き方改革と最低賃金に関する社労士相談員を1名ずつ常駐させ、相談体制を整えている。

最後に、松嶋副会長は年金相談事業について次のように話す。

「やはり相談件数を伸ばすことと事業の承継が最大の課題です。事業の承継では、相談員の育成が中心になります。毎年、実務者研修には3名くらいが応募しますが、相談員の高齢化も考慮すると、現在の20名はぎりぎりの状況です。ウィンドウマシンの操作も含め、レベルの維持と新規相談員の養成は常に考えていく必要があります」

社労士会の概要

事務局所在地 和歌山県和歌山市北出島1-5-46

会員数 251名(開業179名、勤務等72名)

支部数 3支部

年金事務所の業務委託社労士 20名

センター 1ヵ所(オフィス)

センターでの社労士相談員 15名

 

 

オフィスのチラシ。

 

JR和歌山駅に設置されているタッチパネル式の案内板。
年金時代編集部
年金時代編集部は、将来にわたって、年金制度が経済的なリスクに直面した人たちの生活を支えていくことができるよう、年金の正確な情報提供を通じて、その持続可能性の向上に貢献していきます。

 
年金時代