年金時代

第41回 長崎県社会保険労務士会

オフィスオープンから半年あまり知名度アップが当面の課題

 

社労士会としてもPRを積極的に展開

長崎県内では平成29年6月19日、長崎市千歳町に「街角の年金相談センター長崎オフィス」がオープンした。これにより、九州地方ではすべての県にセンターが設置された。千歳町はJR長崎駅の北部に位置し、浦上天主堂で有名な浦上地区にある。

「浦上の中で住吉地区と呼ばれる地域に当たります。JR、バス、路面電車の駅もあり、交通の要衝ともいえる場所です。高齢者も多く、オフィスを開くならここと決めていました」

長崎県社会保険労務士会の小林義人会長はこう話す。ただ、オープンしてまだ半年あまりのため、知名度の向上が当面の課題だと認識している。

「予約が中心で、待ち合いスペースも広く、ゆったりと相談できるのですが、ビルの5階のため、歩行者目線の位置に看板が出せません。場所や入り口がわかりにくいという声をいただきます」(小林会長)

そのため、社労士会ではオープン前からポスターやチラシ、ポケットティッシュをはじめ、地元紙を含めた新聞への広告掲載、バスや路面電車の車内広告、ラジオCMなど、積極的なPR活動を展開してきている。昨年11月の「ねんきん月間」の際は、オフィスの目の前にある複合商業施設“チトセピア”で無料相談会を開催し、オフィスの周知を行った。

「昨年8月からの受給資格期間の短縮の施行に伴い、相談件数は増えましたが、一過性のものなので、今後も予算の許す限り知名度アップに取り組んでいきたいと考えています」

と小林会長は力を込める。

 

相談員の裾野を広げるため会独自の勉強会を開催

オフィスではオフィス長とバックヤード担当の事務職員1名が常勤し、2ブースでの年金相談には9名の社労士が交代で当たっている。県内4ヵ所の年金事務所でも、12名の社労士が業務委託契約を結んでいる。このうちオフィスとの兼任は8名。相談員はすべて年金マスター研修の修了者だ。

年金事務所の社労士相談員は、出張相談にも出向く。現在は、長崎南事務所管轄の五島市役所で月に2日、佐世保事務所管轄の平戸市役所と松浦市役所でそれぞれ月2回ずつ社労士が対応している。

「オープンの趣旨でもありますので、将来的にはオフィスとして出張相談にも対応していきたいと考えています。ただ、長崎県は900を超える島があり、日本一離島が多いという特殊事情があります。壱岐・対馬は博多からは船便がありますが、長崎からは飛行機便しか交通手段がなく、車で移動できないのが大きな障害になります」

と、小林会長は長崎特有の事情を説明する。

毎月行うオフィスでの研修は、全国社会保険労務士会連合会の講師養成研修を受講した他県の社労士や年金事務所の職員が講師を務める。

「現在、長崎県内には講師養成研修の修了者がいないため、講師の養成も今後の課題です」(小林会長)

年金事務所の相談員は、事務所が主催する研修に参加する。

「平成28年度までは、社労士会として年6回、独自の研修を実施してきました。年金事務所が開催していたスキルアップ研修に該当するものです。29年度からは年3~4回に減りましたが、こちらは参加者が交代で講師を務めます」

街角センター運営部の濱忠副部長はこう説明する。

もともと長崎県社労士会では、十数年前から年金部会という名称で、勉強会を開催してきた。濱運営部副部長は、年金部会の世話人も務めている。

「まだ年金マスター研修もない時代です。年金相談のできる社労士の裾野を広げようと、2ヵ月に1回の割合で開催しています。こちらはオフィスや年金事務所に出向く相談員とは別に、14~15名ほどの有志が参加しています」(濱運営部副部長)

小林会長(中央)、濱運営部副部長(右)、松本事務局長(左)。

 

出前授業は社労士の認知度を高める絶好の機会

平成27年度からは、高校や専門学校での出前授業も開始した。県教育委員会の了承をとり、毎年4~5月に各学校あてに案内を送る。希望校は直接社労士会に申し込む。27年度は4件だったが、28年度は10件、29年度は11件と着実に浸透している。

現在、10名ほどの講師が登録している。全国社労士会連合会のテキストをベースに、各講師が独自の資料を使って教える。

「まだまだ社労士の知名度は低いのが実情です。出前授業は、特に若い人たちにも社労士の存在を知ってもらう絶好の機会です。今後も力を入れていくと同時に、講師同士の情報交換も積極的に行っていこうと考えています」

と、小林会長は期待を寄せる。

一方、政府が推進する働き方改革に関しては昨年12月12日、長崎労働局と社労士会が共同宣言の調印式を行った。労働局と社労士会の共同宣言は、和歌山県に続き2番目になる。互いに情報提供を行い、社労士を通じて県内企業への意識啓発を強化することがねらいだ。

「労働局と協力し、安心して楽しく働ける職場環境の構築をめざしたいですね」

と話す小林会長。最後に、年金相談事業への取り組みについて次のように締めくくった。

「年金相談は社労士としての使命だと思います。ただ相談員も年金相談に特化しているわけではなく、通常の業務も抱えている人がほとんどです。社労士会としては両立できる体制を整えていくことが、今後の相談員の育成にもつながると考えています」

社労士会の概要

事務局所在地 長崎県長崎市桶屋町50-1 杉本ビル3階

会員数 166名(開業101名、勤務等65名)

支部数 3支部

年金事務所の業務委託社労士 12名

センター 1ヵ所(オフィス)

センターでの社労士相談員 9名

オープン時に作成したオフィスのチラシ

 

 

 

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