年金時代

第42回 高知県社会保険労務士会

街角の年金相談センター(オフィス)の設置を要望!

4ヵ所の年金事務所では9名の社労士が契約

高知県社会保険労務士会では、平成29年6月の理事会で「街角の年金相談センター(オフィス)」の設置を決定。中谷公一会長名で、全国社会保険労務士会連合会に要望書を提出した。

「オフィスのない県もかなり少なくなり、四国を見ても高知だけがありません。年金事務所での窓口相談の業務委託実績もありますし、そろそろ手を挙げようということになりました」

オフィス設置の要望に至った経緯を中谷会長はこう説明する。

現在、県内4ヵ所の年金事務所では、9名の社労士が業務委託契約をし、各1ブースで相談に応じている。平成29年度の契約では、年間の相談日数は高知東事務所が149日、高知西事務所が203日、南国事務所が225日、幡多事務所が46日だ。

社労士相談員は基本的に年金マスター研修の修了者だが、現在は年金マスター研修のカリキュラムに沿って、会独自で相談員の養成に取り組んでいる。

「毎年4月に募集を行い、eラーニング、筆記試験、ウィンドウマシンの集合研修、実際の窓口で先輩社労士の後ろで学ぶ実地研修などを1年かけて行い、翌年から独り立ちしてもらうスケジュールです」

社労士会の年金部会長を務める宇那木泰之社労士はこう説明する。

応募者は多いときで3~4名、少ないときは1~2名だという。ウィンドウマシンの操作段階になると脱落者が出るケースもあるため、相談員として残るのは年間1~2名だ。

 

相談員向け、一般会員向けに独自の研修を実施

社労士相談員は年金事務所主催の出張相談にも出向く。29年度は、高知西事務所管轄の須崎市役所(毎月第4水曜)で2名、南国事務所管轄の安芸市総合社会福祉センター(毎月第1木曜)で2名、室戸市役所(毎月第4木曜)で3名が対応している。いずれも年金事務所の職員が同行し、ウィンドウマシンを持ち込む。すべて予約制だ。

社労士相談員に対しては、会独自でスキルアップ研修を原則毎月第2木曜の午後6時から実施している。

「講師は相談員が持ち回りで務め、テーマも講師が自分で決めます。年に1回は、年金事務所の年金相談室長に講師をお願いします。マナー研修も実施しています。前半は講義で、後半はディスカッションが中心です。相談員同士の情報共有の場にもなっています」(中谷会長)

この場で出た意見等をとりまとめ、年金事務所に要望するケースもある。

相談員ではない一般会員向けには、年金部会主催の研修を開催している。全会員に対し募集をかける。29年度は30名が参加し、11月・2月・3月に年3回実施する。

「勤務等の会員も参加できるよう土曜に開催します。年金部会の社労士が講師を務め、実務面を中心に年金相談を受けた際にきちんと答えられるような内容を心がけています」(宇那木部会長)

オフィスは平成30年度中のオープンをめざす。新たに2ブースでの相談員が必要になるが、当面は現在の9名体制で対応できる見込みだ。

「相談員はほとんどが高知市在住ですし、年金を中心にしている人も多い。もっと相談日数を増やしても大丈夫という心強い言葉もいただいています」(中谷会長)

中谷会長(中央)、宇那木部会長(右)、猪野事務局長(左)

 

出前授業でも独自のパワポ資料を作成

社労士会では、平成22年度から高校を中心とした出前授業を実施している。

「もともと高知労働局監督課が、労働に関する授業を開催していました。社労士会との意見交換の中で、社労士会が社会貢献事業として引き継ぐことになり、その時点から社会保険関係の講義も取り入れました」(中谷会長)

県教育委員会の了解を得て、毎年4月に各学校長あてに案内を送付。5月末までに希望を連絡してもらう。専門学校や中学から要望が来ることもある。平成26年度は24件、27年度は26件、28年度は23件実施した。

講師は毎年度公募し、登録する。29年度は8名が登録している。講義用資料は社労士会事務局が独自にパワーポイントで作成。全国社労士会連合会のテキストと併用して説明を行う。

「全員が同じ物で説明するようにしています。年度当初に登録講師の情報交換をし、その際にパワポ資料の改訂箇所等の検討もしていただきます」

猪野憲一郎事務局長はこう説明する。

講師個人で終了後にアンケートを取るケースもあるが、中谷会長は、「会として統一的なアンケートを行い、今後に生かしていくことも検討したい」という。

最後に年金相談事業について、宇那木部会長と中谷会長は次のように話す。

「年金相談は事業主ではなく、一般の方と接するよい機会です。社労士の知名度を上げるきっかけになるものと考えています」(宇那木部会長)

「年金相談は社労士業務の柱の1つです。街角の年金相談センター(オフィス)の設置も見据えて、今後も相談員の養成に努めるとともに、一般会員向けの研修にも力を入れ、年金相談に対する底上げを図っていきたいと考えています」(中谷会長)

社労士会の概要

事務局所在地 高知県高知市桟橋通2-8-20  モリタビル2階

会員数 182名(開業110名、勤務等72名)

支部数 なし

年金事務所の業務委託社労士 9名

センター 未設置(設置申請中)

●社労士会が独自に作成した出前授業のパワポ資料

 

 

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